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1月に太陽光発電の国の補助金が再開し、4月からは県の補助金も始まろうとしている今、太陽光発電の設置を検討している方も多いことだろう。自然エネルギーは地球温暖化対策にも一番期待のできる技術だと私は思う。地球に降り注ぐ太陽光をもし全てエネルギーに変換できるとしたら、たった1時間で全地球上の人類の1年分のエネルギーを作り出すことができるという。自然エネルギーの利用は、「限られた資源を奪い合う社会」から、「分かち合いの社会」が生まれる夢のような技術、最も期待するべき技術だ。
我が家でも設置の検討をし、情報を集めているのだが、腑に落ちない日本の売電料金の仕組みを、海外との比較も含めお話したい。
最近の太陽光発電のセールス文句には必ず「オール電化」が付いて回る。「オール電化」。これは「エコではない」と私ははっきりと断言している。おまけに「安全」でもない。「放射性廃棄物」に関してはまた別の機会に述べさせていただくが、「エコ」についてはこうである。
現在、電力の3分の1は原子力発電所からまかなっている。原子力はCO2を出さないといわれているが、もちろん、発掘や運搬・精錬などの過程ではCO2は排出するので、正確には「発電時には出ない」といわなくてはいけないだろう。原子力は現在のところフル稼働である。電気利用の少ない夜間でも原子力にプラスして水力・火力が少々利用されている。原子力はCO2が発電時には排出されないが、火力は別だ。石炭・石油を燃やすからCO2はたっぷり排出される。
オール電化の売りはIHの安全なキッチンというよりは、給湯でガスを使わないエコキュートの方なのだろう。夜間の安い電気で沸かしたお湯を利用するから光熱費が安くなるのが売りだが、増える電気使用量を賄うには火力に頼らなくてはならないから、CO2排出は増える。エネルギー効率で考えると熱にはガスの方がよい。「熱にはガス」「動力・照明には電気」これが最もベストな使い分けだ。しかし、電力会社にしてみれば、最大のライバルであるガスを家庭から葬れるわけだから、セールスにも力が入るのだろう。(実際セールスしているのは電力会社ではないが…)
そして、私が疑問を呈したい「売電料金」だが、高価な太陽光発電を導入してもオール電化にしていないと安くしか売れないのである。つまり、自然エネルギーを導入した人にメリットがあるのではなくて、オール電化宣言をした人にメリットがある仕組みになっているのだ。
ドイツでは、条件の悪い・しかも小規模なところほど高く電力を買ってくれる仕組みになっている。それは太陽光だけでなく、風力、水力、バイオマスにおいても同様だ。誰でも、どこにいる人でも自然エネルギーを導入しやすいようになっている。太陽光発電の数が1番なのはそれが理由だ。設置するための動機づけが仕組みの中でできているからだ。
それに比べて、日本はいかがなものか。公益性のある企業において、公共の利益よりも企業の利益が優先されているのだ。これには政治力の低下も原因だといえる。これは電力に関してだけでなく、その他様々な企業に関しても同様だが、企業へ対する指導力の欠如を感じずにはいられない。
日本はどうしたいのか。どこに進んでいるのか。「売電料金」の仕組みから見え隠れするエネルギー政策に対して不安を抱かずにはいられない。
(岩田 京子)
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