トップページ ≫ 未分類 ≫ 学生たちよ、本を読もう!図書館に行こう!
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さいたま市が去年10月に、さいたま市立の小学校4年生~6年生、中学校1年生~3年生、高等学校1年生~3年生に対して行った第4回読書についてのアンケート結果が発表された。このデータが実に興味深い。
読書が「好き」「どちらかといえば好き」という小中高校生は、8割近くにものぼる。「本を読むのはどうしてですか」という質問には、半分の学生が「楽しいから」という選択肢を選んでいる。決して読書は嫌いじゃないのである。
だが、「最近1か月間に本を何冊ぐらい読みましたか。読んでいる途中でも1冊にいれてください」という質問結果をみて、おやっと疑問に思った。小学生平均10冊、中学生平均4冊、高校生にいたってはなんと平均1冊!本好きはみな同じなのに、学年が上になればなるほど、少なくなっていくのである。勉強に忙しいのか遊びに忙しいのか。
さらに残念なのは、「この1年間に公共の図書館に何回ぐらい行ったことがありますか」という質問で、中高校生の半数が2回以下という結果がでている。0回と答えたのが、小学生では14.4%、中学生では25.6%、高校生では26.8%にものぼる。
そして、「あなたは本を読むとき、その本をどのようにして手に入れることが多いですか」という質問では、全体として43.9%の学生が「買う(買ってもらう)」という答えを選んでいる。これも私には意外であった。たくさん本を読むとすれば、1ケ月、1年にいくら使えばいいのだろう。あまり経済的に余裕がなければ、何を買うか厳選しなくてはならず、読む機会が失われてしまうのではないか。それとも反対に読む冊数が少ないから、買ってもらえるのか。
自分が学生のときを思い出してみると、ほとんど図書館で借りていた。足しげく図書館へ通い、借りられる冊数まで借りるから、1か月に最低でも10冊は本を読んでいた。幼い時の絵本から始まり、童話集、おとぎ話、小説へと興味は移り変わったが、どの本にしようか選ぶのは楽しかった。無料で遊べる「おもちゃ」のような感覚で、童話のきれいな挿絵に心が躍ったし、江戸川乱歩やシャーロック・ホームズの推理小説が面白くてたまらなかった。私にとって「図書館」のイメージは宝箱に近いものがある。
だからこそ、この読書についてのアンケートで、あまり本を読まない、図書館に行かない実態に愕然としてしまった。もしかしたら、今の子供たちは、テレビゲームやインターネットの方がいいのかもしれない。そのほうが刺激的で夢中になるのかもしれない。でも、本が好きと答えている学生が多いのだから、その楽しさは十分わかっているはず。小学生のうちから塾などで“忙しそうな”学生たちだが、少しでも時間を作って、図書館へ行き、興味のある本を手にとって読んでほしい。映像ではもう姿形が決まってしまっているが、本の世界では自由に姿形を自分が思い描け、本によってわくわくするような高揚感や想像の世界を体験できる。
ぜひ子供の時にしか味わえない感性で読書をしてほしいと願うのだ。
(楠本 あおい)
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