トップページ ≫ 未分類 ≫ 「角をためて牛を殺す」ことにならないように
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公務員制度改革がうまく行くのか大変心配である。これまで年金業務の不適切な運営、官製談合、食品行政の怠慢、天下り等々数々の不祥事が露見し、怒髪天をつくようなさわぎとなっている。
公務員が持つ特権や非効率を改めさせることは当然としても、このような状況の中での改革であり、心配なのは、その動機が怨めしさであったり安直な人気取りにあるのではないかと思われるふしがあるからだ。
目指すところは政治主導の行政だそうだが、極端な話、徹底的に公務員を削減しても、百人たらずの閣僚やこれに準ずる政治家で広範な国民生活を守ることができるはずがないし、政治主導なら国民本位の行政になるとの保障もない。そんなに政治家が信頼されているわけでもない。
一例としていま政府が作業中の人事局のことだが、各省の幹部人事を一元化し、内閣がこれを管理しようとするものである。
なるほど人事権を掌握すれば、公務員をコントロールできるだろうと思う。でも人事は、官庁でも会社でも、平職員は係長が、係長は課長が、課長は局長が日常的に見ていて、その評価に基づいて行うものである。幹部だけとは元々そんなに離れている上のほうから不断に職員の資質と活動状況を観察できるのだろうか。
ゴマすりかパフォーマンス上手の奴だけがお上に聞こえるところとなる。これでは公正な人事ができるわけがなく、堅実で将来を見通した行政の実現は期し難い。結局、内閣が人事を行うに当たっては各省との緊密な連携が不可欠と思うのだが。
今の論調の本筋は、国家の大事に公務員が口出しすることを少なくし、単純作業に封じ込めることにあり、云われたことを守ってよく働けということのように思われる。そもそも、動機があんまり高尚とも思われないので目指すところも何ともみみっちいのである。
これでは人材の流通は必定で公務の重要性を思えば、国家の将来が危ないと思わざるを得ない。
公務員制度の改革の視点の一つは、才知に優れ、剛毅で志が広大である者が公務員を志望するような体制を創り出すことでなければならない。
(元埼玉県副知事 関口 一郎)
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