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浦和の伊勢丹にルイヴィトンのお店がある。少し時間があったので覗いてみることにした。ルイヴィトンとは言わずと知れた、日本でいちばん有名なファッションブランドである。
ところでこの、ブランドとはどういう意味なのだろうか。元を辿って行くと、「ブランド(brand)」とは、「焼き印を付けること」を意味する“brand”という古期フリジア語等から派生した言葉であり、家畜の所有者が自己の家畜と他人の家畜を“識別”するための印が語源であるといわれている。
現在においては、企業が自社製品等の品質の高さ、デザイン、機能の革新性等を普遍的に表現するために、ブランド標章(ネーム、ロゴ、マーク、シンボル、パッケージ・デザイン)を統一的に用いた事業活動を行うことにより、他社との差別化(識別)を図るために用いられているのが主たる用い方であろう。
また、最近よく耳にする言葉で、個人ブランディングというものもある。その人自身のブランドを作るための一番良い方法は、出版することであるという友人がいる。確かにさまざまな方のプロフィールを見ると、生年月日や卒業した学校に加えて、出版経験のある方ならば必ずといっていいほど書籍名が記述されていることからすれば、その通りであろう。
先日、田中義剛の波瀾万丈な人生を扱った番組をたまたま見ていた。田中義剛が北海道で牧場を経営しているのは知っていたが、彼の経営する花畑牧場の手作りキャラメルがそれほどまでに人気があるとは知らなかった。
それと、その番組で印象的なところと言えば、一時期牛乳が廃棄されているというニュースを聞いたことがあるが、小生自身は“もったいない”とは思うものの、ニュースのひとつという程度にしか捉えていなかった。しかしながら、田中氏はそれを見て、食料自給率がこれほどまでに低いのに廃棄するなんて本当に“もったいない”と思い、それを有効利用して加工品を作ったという箇所であった。
“もったいない”はマータイさんによって国際語にもなった言葉であるが、その精神を田中氏は持ち合わせていて、いわば廃棄物となってしまった牛乳をリサイクルすることに成功したといえる。ただ”もったいない”と思うだけでなく、それをビジネスに結びつけた結果(売り上げ)を創出していく、田中氏のアイデアとバイタリティーに魅せられた。
環境ビジネスコンサルタントとして活動している小生にとって、この田中氏の精神を会社の経営者にお伝えすることが任務のような気がした。
偶然のことであるが、ほどなくして環境ビジネスの関係で北海道に行く機会があった。このビジネスは間違いなくヒットする新ビジネスモデルに違いない。このビジネスモデルに関しては、後日ふれることにしたい。
北海道から帰る際に、新千歳空港で花畑牧場のキャラメルを買おうとしたが、長蛇の列が出来ていた。1時間から2時間待ちということであるので、出発の時間もあるので、買うのを断念し他のメーカーの製品を買うことにした。
そこでふと思ったのは、小生の様な客も大勢いるのではないかということである。花畑牧場のキャラメルのおかげで、他の企業のキャラメルもいわばコバンザメ商法的な恩恵を受けているのではないだろうか。
また、なかなか買えないということもブランディングになるということである。ソフトバンクのiPhone 3Gの例も同じである。小生もiPhone 3Gを買いたくて電気店に行ったが、店員によると次回いつ入ってくるかわからなし、もしかするとずっと入って来ないかもしれないと説明してくれた。そうであれば尚更、ほしくなるのは人間の常である。
長蛇の列で思い出したのが、先ほどの番組の中で、このキャラメルがブレークしたきっかけは島田伸介の「行列の出来る法律相談所」で取り上げられたからということである。
ということは、この番組でこのキャラメルがブランディングされたことになると言える。また、考えてみると丸山弁護士や橋下弁護士は、この番組で同様にブランディングされて、政界に進出することが出来た。メディアの力はやはり図り知れないものがあるのを見せつけられた。
「行列の出来る法律相談所」でブランディングされ「行列の出来るキャラメル」が出来上がった訳である。では次に「行列の出来る法律相談所」では、何が、あるいは誰がブランディングされてどのような結果を残して行くのであろうか、楽しみである。
因みに、島田伸介氏の戦略に関しては、週間文春8月14日・21日 夏の特大号で取り上げられている。
小生が暇つぶしをしていた、ルイヴィトンのお店に、父親と息子がテーブルに座っていた。恐らく奥さんが商品の品定めをするのを待っているのだろう。その息子が突然歌いだしたのはあの「ポーニョポーニョ ポニョ さかなの子 青い海からやってきた♪♪」だった。この歌は一度聴くと、どうしても歌いたくなる魔法のような歌である。
この映画「崖の上のポニョ」は環境問題を取り上げていると言われている。この映画を沢山の子供たちが、この夏休みに観ることであろう。その子供たちのために、私たち大人がしてあげられることは、出来うる限り環境問題に取り組むということである。つまり負の遺産を残さない努力をすることである。そのために環境ビジネスをより一層活発化させることが大事であると小生はかねがね主張してきた。
別の角度から考えてみれば、この映画も環境ビジネスの一つと言えるのではないだろうか。この映画の対象者は、もちろん子供たちではあるが、当然親も観ることになる。間違いなく、この作品は観客動員の記録を作るものとなるであろう。そして、その興業収入を元に、よりよい環境映画を作って行くことにより、さらに子供たちに良い影響を及ぼす事が出来るようになる。つまり、プラスの循環が出来上がるということである。
私の持論は、どのような企業でも、今ある人・物・金・情報を駆使するなら、環境ビジネスを始めることが出来るということである。また、その中で足りないものがあるなら、他の企業とタイアップすると良いと考えている。そうすることにより、間違いなくその企業のイメージアップに繋がり、結果として売り上げもアップすることになる。
その時代の環境(時代背景)に合わせた企業だけが生き残って行く。では今の時代はどうであろうか。まさしく、地球温暖化を主とする環境問題を改善していく、何らかの製品、技術、サービスを企業のメインもしくはサブの柱とする企業でなければ生き残って行けないのではないだろか。そのためには、それぞれの企業の環境ブランディングが必要な時代になって来たといえるであろう。
(今里 仁)
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