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カーボンオフセットプロバイダーと言われる新しいビジネスが誕生しています。
ご存知の方も多いと思いますが、ご存知ではない方の為に、まずカーボンオフセット(carbon offset)とは、何を意味しているのかを説明しておきます。
カーボンオフセットとは、人間の経済活動や生活などを通して「ある場所」で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業などによって「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方や活動の総称であるとWikipediaでは説明されています。
もう少し具体的に説明しますと・・・
例えば、大型車から小型車に買い換えるなど、低燃費車(省エネ)にすることにより、二酸化炭素の発生量を減らすことが出来ますが、車を購入するとか車を使う限り二酸化炭素をゼロにすることは出来ません。
でも、どうしてもゼロにしたいと思った場合にはどうしたらいいでしょうか?
いくつかの方法が考えられますが、一例としては、発生してしまった、もしくは発生するであろう二酸化炭素量を計算して、その量を吸収できる分の植林を行えば計算上ゼロにすることが出来る訳です。
自分が植林をする場所や技術を持っていれば行えますけど、そうでなければ誰かに依頼するするしかありません。ほとんどの方がそうでしょう。
その依頼する誰かが、カーボンオフセットプロバイダーということです。
インターネットに繋げる時にも、プロバイダーがいないとどうしていいか分かりません。これと同じです。
ですから、カーボンオフセットプロバイダーとは、二酸化炭素排出をカーボンオフセット(相殺しバランス)するプログラムやサービスを提供する人もしくは業者のことになります。いわば、代行業の一つといえば分かり易いかも知れません。
ちょっとうがった見方をすれば、このビジネスは「風が吹けば桶屋が儲かる」的な発想だと私は思います。
どこが似てるかというと、カーボンオフセットプロバイダーの方からおしかりを受けるかも知れませんが、二酸化炭素が発生すれば、カーボンオフセットプロバイダーが儲かることになるからです。
風を止めることは出来ないのだから桶屋がどうしても必要だった訳です。同じように、二酸化炭素の発生を今のところは止めることは出来ないのですから、カーボンオフセットプロバイダーもどうしても必要だということになります。
時代が求めるビジネスだということです。
では、このカーボンオフセットプロバイダーは、今どんなプログラムやサービスを提供しているのでしょうか?
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ジーココンシャス株式会社では
カーボンオフセット商品開発のためのビジネスパッケージの用意
排出権取引について調達から販売までワンストップで行う
グリーンな消費者に向けたマーケティング、商品開発などのコンサル
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株式会社ツバルの森では
様々なカーボン・オフセットプログラムを組み合わせ、お客様仕様の最高のプログラムをご提案
お客様の取り組んだカーボン・オフセットプログラムをより多くの人に知ってもらうために、ツバルの森は最適なPRコンテンツをご提供
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株式会社リサイクルワンでは
商品から排出された二酸化炭素のオフセット
施設から排出された二酸化炭素のオフセット
サービスから排出された二酸化炭素のオフセット
業務から排出された二酸化炭素のオフセット
事例としては・・・・
ヤフー株式会社は2008年7月11日、7月3日より提供を開始した「Yahoo! カーボンオフセット」にて、1週間で1,135人のユーザーにより、合計102.6トン(38万4,784円分)の CO2 をオフセットしたと発表した。
他に、近畿日本ツーリスト、凸版印刷等々の実績があります。
㈱リサイクルワンは、世界最大のカーボンオフセット企業であるイギリスのカーボンニュートラル社と提携している。
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RAUL株式会社では
初期コストゼロで導入可能なカーボンオフセットサービス【成果報酬型 カーボンオフセットサービス(排出権CER グリーン電力)】をスタートしている。
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カーボンフリーコンサルティング株式会社では
技術士・エネルギー管理士による温室効果ガスの測定
省エネ診断、省エネコンサルティング
カーボンオフセット・カーボンマイナス商品のプランニング
CDM申請のコンサルティング
排出権購入にあたっての口座開設や選択のお手伝い
国内排出量取引についての相談
旅行・出張オフセット
生誕祝いオフセット
バースデーオフセット
新築祝いオフセット
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上記のように、さまざまなプログラムやサービスを行っています。
カーボンオフセットプロバイダーが日本で誕生して、恐らく1年くらいしか経過していないと思いますが、上記のようにさまざまな企業が参画しています。
ですから、今後急増してくるだろうと私は見ています。
参画している企業の特徴は、元々環境関連のビジネスを展開している企業もありますが、金融関係の方やコンサルタントの方など、いわば別の業種の方の参入です。
目に見えないもの(二酸化炭素)を目に見える形に換えてビジネスにするので、企画力や宣伝力やマーケティング力が重要な要素となります。ですから、環境関連の方でないと出来ないビジネスではないのです。
今後、さまざまなカーボンオフセットプロバイダーが乱立して来るでしょうから、これらのプログラムやサービスを利用する側として注意が必要ですと、あるカーボンオフセットプロバイダーの担当者の方が語っていました。
どのような注意でしょうか・・・
北京オリンピックも終盤を迎えていますが、ニュースを見ているとショッピングセンターでは偽物が堂々と(?)販売されています。目に見えるものでさえ、注意が必要であれば、目に見えないのであればさらに注意が必要だということです。
少し話は変わりますが・・・
私が中学生の頃、クラブ活動が終わった直後に、水道から直接ごくごくと水を飲んでました。練習中に飲むと、ばててしまうという理由で、決して飲んではいけないという時代でした。
そういう時代を過ごしていたので、ペットボトルで水が売られ始めた時には、自分が買って飲むということはないだろうと思っていました。
水はいわばタダに近いものだという意識があったので、それに100円以上も払うなんてもったいないという感覚でした。
でも、今では毎日の様に買って飲んでいます。
少し表現がおかしいかも知れないけれど、このように言わば新しい水商売が短期間の内にビッグなビジネスになっています。
これからはどうなるでしょうか?
水商売はますます伸びて行くでしょうし、それに加えて空気商売が台頭して来る時代になって行くに違いないと思います。
今は、空気商売の黎明期であり、今後数年で間違いなく市民権を得ることになるでしょう。
今後、カーボンオフセットプロバイダーの動向には目を離せません。
(今里 仁)
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