トップページ ≫ 未分類 ≫ 新型インフルエンザこれからの対応は冷静な見極めが肝心
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4月下旬にメキシコで発生した新型インフルエンザは、一時期毎日トップ記事扱いであった。世界中で、毎日感染者数は増えていく。過去に流行したスペイン風邪などの例を同時に挙げ、当時は全世界でこれだけの死者数がでました、などと報道される。みていて不安になった。空港での機内検疫では、防護服に身を包んだ検疫官達がテレビに映り、あたかも劇毒物扱いのよう。感染したらもうおしまいなんじゃないかという恐怖を感じたのではないだろうか。
国内で集団感染が確認された時は、大騒ぎだった。学校休校処置。イベントの中止。福祉施設の休止。関西地方への修学旅行の延期や中止。経済的・社会的にも大きな影響がでた。その後、季節性インフルエンザと同じぐらい弱毒性であり、大規模な制限は必要ないという結論がでて、一応事態は収拾ついた。
現在も患者は発生しているのだが、薬を投与しきちんと治療すれば、死にいたるような病気ではないというのがわかっているので、冷静な対応がなされている。
今回の新型インフルエンザ騒動でわかったことがある。報道のされ方で人々の気持ちや受け止め方がずいぶん変わってくるのだ。
以前から新型インフルエンザは近い将来必ず流行すると言われていた。最初、メキシコで発生のニュースを聞いた時、とうとうその事態が発生した、大変なことになるのではないかと思ったものだ。メキシコでは死者の数も多かったので、得体の知れない病気が世界中で流行りはじめたと恐ろしかった。発生したばかりで、正確な情報を把握しきれなかったというのが原因なのだが、テレビや新聞の報道に不安ばかり感じていたし、とにかく感染国や感染者数の拡大・死者の数報道で人々の不安を煽っていたように思う。
しかし、今は特に何も不安に思っていない。感染した人がほとんど軽症で、普通の風邪のようにしばらくすれば元気になっていること。テレビでも患者の発生の報道はされるが、その後患者は回復に向かっていますというコメントがあるので、たいしたことはないという印象をもつ。
これは、言い換えれば報道する側が落ち着いてきたということであろう。どのように報道するか重要なことである。その言い方ひとつで、人々は振り回される。例えば、マスクが品薄になったのが良い例だ。世間に巨大な影響力を持つからこそ、マスメディアに重大な責任があることを忘れてはならない。
いまだに世界中で新型インフルエンザの患者が発生している。12日には、世界保健機関(WHO)が警戒水準をヒューズ6に引き上げ、世界的大流行(パドミック)宣言をだした。これから人々が国やマスメディアに求めているのは、正確な情報と的確な対応であるはずだ。悪戯に恐怖を感じても無駄であるし、軽々しく扱ってもいけない。個人の冷静な見極めが一番大切なのであろう。
(楠本 あおい)
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