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9月10日付けの朝日新聞によると、公共施設で「省エネ着々」という記事が掲載されていた。
掲載内容は、埼玉県内の公共施設で、省エネルギー効率を高めるため、庁舎の改修や維持管理を包括的的に民間委託する「ESCO(エスコ)事業」の導入結果と今後の展開についてである。
結果については、04年度から順次着手して07年度、浦和地方庁舎など3施設で導入前に比べて年間計約9765万円の光熱水量などが削減出来たという大きな結果が出ている。今後の展開については、来年度、新たに県環境科学国際センター(騎西町)など7施設にも事業を広げることにしている。
ESCOとは「エネルギー・サービス・カンパニー」の略であり、ESCOは、工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギーを実現し、さらにはその結果得られる省エネルギー効果を保証するというものである。
また、ESCOの経費はその顧客の省エネルギーメリットの一部から受取ることも特徴となっている。
ESCO事業を導入するメリットとしては、ESCO事業導入による 省エネ効果をESCOが保証するとともに、省エネルギー改修に要した投資・金利返済・ESCOの経費等は、全て省エネルギーによる 経費削減分でまかなわれる。また、契約期間終了後の経費削減分は全て 顧客の利益 となる。
県管財課のコメントによると「省エネ効果を事業者が保証するため、損失が出ても県の懐は痛まない仕組み。京都議定書の目標を達成するためにも、民間の創意工夫を引き出して省エネが図られる意義は大きい」とある。
懐が痛まないのであれば、導入しない理由は無いので、より積極的に有効活用すべきであろう。
地方公共団体や企業に留まらずこのESCOを家庭で実施しようとする提案が出てきている。多主体連携による家庭版ESCOスキームを用いた家庭部門の省エネルギーの推進がそれである。
趣旨としては、行政機関、金融機関、地域の家電販売店の連携により、地域密着型の家庭向け省エネ・ESCOサービスの提供、ESCOサービスと連動した省エネ機器買換ローンの提供、そのローンへの利子補給などを組み合わせた新たな「家庭版ESCO実施スキーム」を構築し、家庭部門における抜本的な省エネルギーを推進することである。
家庭部門の温室効果ガスの排出量は増加の一途を辿っているため、家庭向けのESCO事業は今後ますます注目を受けるビジネスとなって行くであろう。
他力本願という仏教用語は、一般的には他人任せで無責任というように理解されているが、本来は全く反対の良い意味である。
自力で省エネを図ることは、もちろん重要だが、他力(ESCO)を良い意味で有効活用することも大事な要素の一つであろう。
(今里 仁)
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