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やや間を空けてしまったけれど、この間にこのところ話題の宮崎に行ってきた。かつては、新婚旅行のメッカとも言われた一大観光地であるが、この県の観光資源は未だ健在である。青島をはじめ、高千穂峡、岩戸神社、鵜戸神宮等々、数え上げたらきりがないのだが、真夏の観光シーズンにも人でごった返すという賑わいはなく、締めている店も少なくない。青島の駅に至っては、駅前の市営駐車場のひび割れた舗装面の隙間から、雑草が勢い良く伸び出している有様だった。なぜか。
著名知事効果で観光客は増えているが、県庁近辺を訪れる人ばかりだという声も聞く。原因の一つとなるのは、せっかくやってきた人々を観光地へ向かわせるアクセスが悪いことだ。九州の他県から宮崎に入るのに、鉄道も道路も博多からは一度熊本側へ回らなければならない上、県内の幹線道はほぼ国道10号線が縦断するだけに頼っている。知事が道路整備に執着していた背景が伺える。
ただ、こうした道路交通網の整備が必要な地域というのは、国内規模で見ると宮崎だけではない。わが飯能も、この件については宮崎の比ではない。道路の整備が遅れるために、通勤・通学に支障をきたし、利便性を求めて人々が去っていく。残されるのは高齢者ばかり、限界集落が作られていく。地域社会が崩壊していく。
かつて高度経済成長期の日本は利便性や効率化を優先課題としてきたが、その中で進んだ核家族化が今ではさらに一人世帯化を進めている。苦労してマイホームを持ったのに、気づいたら、子供たちは家を捨て親と離れ地域を去っている。それが、物理的条件によって人為的に作り出されてしまったものなら残念この上ない。地域に子育てする人々がいて、地域で育つ子等がいる。人の誕生から最期のときまでが、地域の中にあって初めて、地域社会が守られるのではないのだろうか。
災害時対応の上からも、地域社会復興の上からも、道路交通網の整備は急務であると思うのだが、行政は取り残された少数の声には耳を傾けてくれないようで歯がゆいばかり。
実は、少数の声を丁寧に聞いていくこと、そしてそれをわが事として同じ思いで受け止めること、これこそが前回の宿題である政治家に最も必要な要素と考えるのだが、いかがであろうか。
(田中 ハルカ)
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