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日本は自給率が低いので年に6700万t(2005年)もの食料を輸入しています。そして、その約3分の1にあたる2200万tの食料廃棄物が出ています。私たちは大量生産・大量消費の生活の中で、使い捨て感覚は食べ物に対しても同様のようです。
豚を育てて、食べるという映画がありました。残酷だと言う声も多く議論をかもし出しましたが、切り身の魚が泳いでいると思っている子どもたち、お肉は切り身になって売っているものと思っている大人の暮らすこの世の中では、このような命と食がつながっていることを学ぶことは、食べ物から見える私たちの様々な問題点(自給率低下、フードマイレージの高さ、食料廃棄、食物の旬の喪失など)と向き合うのに非常に大切な一歩になると思います。
例えば、私たちは牛肉を当たり前のようにスーパーで買ってきて食べていますが、もし、牛を殺しさばくことから始めるとしたら大人2人がかりで4,5時間かかります。どこかで、誰かが工場製品のように流れ作業でさばいているからこそ私たちはいつでもどこでも牛肉を食することができているのです。
「いのちを学ぶエコツアー」をたまに開催します。1年半の間、卵を産んでお役ごめんになった鶏を通常はそのまま処分になるところを、自分たちの手でさばき、いただくのです。素人なので食べるまでに4時間くらいかかってしまいます。しかし、その長い時間をかけて、直接命を頂くことによって、「鶏の死」は決して「残酷」なことではなく、残さず最後まで頂かなくてはならないという大切なことを学ぶ場となるのです。
余談ですが、昭和40年頃アメリカからやってきた食肉専用のブロイラーの雛は、殆ど運動せずに配合飼料でみるみる太り、軟らかくジューシーで、現代日本人はすっかりそれに慣れてしまい、鶏卵を産んだ後の固い鶏は口に合わなくなってしまいました。つまり、通常市販されている鶏は肥満小学生で、鶏卵を産み終えた鶏はお疲れサラリーマンというところでしょうか…。本当は人間も鶏も同様で、経験を積んで、人生の年輪を重ねた味はとても濃くおいしいはずと個人的には思います。人間のわがままで、若く、はかない命は人間の胃袋の中へ。
余談ついでに、人間の都合といえば鶏卵でもおかしな話が1つあります。♀鶏は卵からかえって5か月位から卵を産み始め、その後1年位産み続けると殻が軟らかくなってくるのでお役ごめんになります。若い娘の卵は小さくて、おば様の卵は大きくなります。市場ではS、M、L、LLとサイズがわかれていて、大きい方が値段が高くなっています。ある養鶏所のおじさんが私に聞きました。「若い子が産んだのと、おばさんが産んだのと、どっちがいい?」
さて話が大幅に横道に反れましたが、夏休みに突入、たまには大人も子どもも私たちに欠かせない「食」についてあれこれ考えてみてもいいのでは?!
(岩田 京子)
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