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京成関屋にある住宅展示場を見るまでは、地熱利用は身近なものであるとは感じられなかったが、実際に使用している住宅を見ると身近なものとして捉える事が出来た。やはり、百聞は一見にしかずである。
地熱というと温泉のような熱いものというイメージがあるが、この展示場で使用している地熱は実はそうではない。
調査によると、地面から5Mくらい下になると、年間の温度はあまり変化しないということである。また、地上の気温に比べて、夏は低く、冬は暖かいのだそうだ。
このメカニズムを有効活用して、室内の温度を調節したのが、この地熱利用の住宅である。
非常に簡単にしくみを説明すると、5M程の穴を掘り、そこにパイプを埋めて、外気をその中に送風機でおくり、夏場であれば暑い外気をそこで冷やし、冬場であれば冷たい外気を暖めて、それを室内に送風するというものである。
メリットとしてはいくつかあるが、冷え過ぎない暖め過ぎない空間で、現代病である「冷房病」や「暖房病」など体に不調をきたす要因となる過冷暖房の防止。木炭・セラミック炭の調湿・消臭効果。銅の殺菌効果、トルマリンのマイナスイオン効果や、パイプによる「花粉&水溶性化学物質」の除去。室内に空気のヨドミが無く、常に新鮮な空気が室内を流れている。エアサイクル機能によって、各室や廊下の温度差を無くした温度のバリアフリーの実現などがある。デメリットは、エアコンを使用した時程の快適さまでは達しないところである。
以前であるが、エアコンを全く使用しない自然住宅の番組を観たことがある。そこで生活している方の話によると、やはり最初はなかなか慣れないが、3年もすると体が慣れてくるそうである。体質が強くなったとも言われていたとも記憶している。
住んでいるだけで健康になれる家というのは理想的であるが、最初のうちの我慢がなかなか出来ないのも人の常であろう。
住宅展示場の方によると、地熱だけで生活している方もいるが、地熱を利用しながら時々補助としてエアコンを利用する場合も多いと説明していた。
このシステムは一般家屋だけでなく、工場や公共施設にも活用されていて、越谷市のレイクタウンに今秋オープンするイオンにも採用されているそうである。
工場の場合の使用例は、スポットクーラーの代わりに使用しているケースがある。スポットクーラーの場合には、使用している本人は涼しいが、排熱により外部が暑くなってしまう。まるでヒートアイランド現象のミニチュア版のようである。地球環境と作業環境を考えると、スポットクーラーとしての活用は今後増加していく可能性は高い。
短期的な快適さを求めるなら、今までどおりエアコンに頼る生活になるが、長期的な快適さ(健康面・経済面・環境面)を求めるなら、この地熱利用も検討の余地があるであろう。
(今里 仁)
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