トップページ ≫ 未分類 ≫ 気づけば周りはパーム油だらけ~熱帯雨林を壊しているのは私?
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熱帯雨林がみるみる消えている。地球上の熱帯雨林は半分になってしまった。1秒間に1ヘクタールが消えているとも言われている。こうしている今も貴重な熱帯雨林は無残にも伐採、いや、皆伐されている。
熱帯雨林は生物の宝庫である。熱帯雨林の中の1本の木にどれだけの生物がいるかを調べた研究者がいる。その数なんと5000種にも及んだというほど。地球上の50~70%の生物がここには生息しているのがうなずける。
絶滅種が後を絶たないが、生物(遺伝子)がたくさん存在することは、人間の可能性もそこに秘めていることになる。技術は生物の働きがヒントになって生まれているものも多いし、医薬品の多くは生物の遺伝子からできている。熱帯雨林の生物の遺伝子を利用している薬は4分の1にも及ぶそうだ。
その他、「地球の肺」と呼ばれるようにCO2を吸収してくれるし、樹木に覆われたその土壌は風に飛ばされかれることなく豊かで、水を保ってくれる。そのように貴重な熱帯雨林だが、日本企業のものすごい協力(?)もあって見るも無残な姿になっているのだ。
熱帯雨林を犠牲にした製品にはどんなものがあるだろう。紙製品・木製品はすぐに想像することができるだろう。また、少し考えれば燃料として木材が使われているのもわかるだろう。これらは熱帯雨林の木材を利用しているので容易に思いつく。
熱帯雨林の利用は材としての利用目的だけでなく、その土壌そのものの利用を目的にしていることもある。皆伐・焼畑でまっさらにされたその土地ではプランテーションとして単一の農業、もしくは畜産がおこなわれる。バナナ・大豆・ヤシ油・えび・ハンバーガー・チョコレート・インスタント麺・揚げ菓子・プラスティック・合成洗剤・シャンプー・化粧品… これらは熱帯雨林の犠牲の上に作られていると言っても過言ではない。熱帯雨林だけではなく、そこに暮らす人々の生活をも犠牲に成り立っていることもある。(多くは劣悪な条件で働かされている)
今般、急速に増えているのがヤシ畑だ。実からとれるヤシ油・種からとれるヤシ核油はとても安価ででき、また、何にでも混ぜられるのである意味優等生である。食料油はもちろんカスタードクリームやホイップクリームなど油製品の代用品につかわれ、また、日用品では洗剤・化粧品・塗料などにも使われる。
私たちは残念なことに熱帯雨林を失いたくないと思っても、原材料に「パーム油」表示がされていないので製品を選ぶことで意思表示をすることができない。
09年4月より消費者庁が創設される。企業の儲けや国の政策の犠牲になりがちだった消費者だが、私たちが主役になって消費者のための政策ができるようになることを心から望む。事業者に直接かかわるところは既省庁が引き続き行うという期待とは裏腹なところもあるが、それでも、休まることのない食にまつわる事件・事故をなくすためにも消費者庁に対する期待は大きい。
(岩田 京子)
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