社会
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今年の5月にスタートした川口市岡村市長の5期目。主要な課題は1)老朽化した市庁舎の建て替え、2)市立3高校の統廃合計画 3)火葬場の建設の3つである。築50年以上で老朽化し、耐震性に問題がある現庁舎の新築移転先を検討するため、「川口市庁舎建設審議会」が昨年秋に立ち上げられた。審議の末、8月末にSKIPシティへの移転が答申された。ところが、9月25日市議会の「危機管理対策・庁舎整備特別委員会」では新庁舎の建設場所は現在地の敷地が良いという意見に集約されたという。二つの候補地に対して審議会と市議会で支持が分かれている。一体なにが起っているのであろう。
聞くところによると背景は市庁舎が現在の敷地から移転することによって、来庁者や職員などがいなくなって売上が減ることを懸念する地元の商店街が市会議員を動かしたようだ。現在の敷地は市制施行直後から約80年あまり当時の川口町にあり続けたわけで、昔からの住民にとってはやはりここが市の中心という意識なのだろう。しかし審議会の答申によれば、現庁舎建設時点(昭和 34 年)と現在とでは居住人口分布が大きく変化し現在の場所では人口重心から大きくズレており、一方SKIPシティのほうが人口重心に近接しているそうだ。どうも鳩ヶ谷合併後の新川口市の都市構想に対する新旧住民のせめぎ合いが見受けられる。
SKIPシティはNHK川口ラジオ放送所跡地の再開発事業として10年前に産まれた映像制作を目的とした施設である。映像産業拠点として技術開発支援や人材育成を通じた産業振興が期待されており、映画祭や映画の撮影拠点などとして活用されている。鋳物の街から映像産業の街に本気で川口が生まれ変わるには、SKIPシティを核にした開発が欠かせない。庁舎移転により交通や周辺商業施設が整備されると、新たな企業やクリエーターが集まってくるだろう。
今回の庁舎移転は川口市という街の成長を左右する意思決定になりそうだ。岡村市長の決断を見守りたい。
(林 智守)
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