トップページ ≫ 地域情報 ≫ 咲いたまびと ≫ さいたま市の「縁の下の力持ち」part3―谷田第1分団 地域の安心と安全を守るために―
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火災。近年、火災発生の出火原因は「放火」「たばこの不始末」「火遊び」などが上位を占め、自然発火といった原因は極めて低い、いわば人的災害であり大きな社会問題である。
さいたま市緑区にある、さいたま市消防団、谷田第1分団(岡田雄二分団長)は、緑区太田窪1丁目及び太田窪3丁目並びに原山1丁目から原山4丁目までを担当している。
谷田第1分団の担当エリアは、かつて周辺に農地が多く耕地整理は行われたが広い道路をつくらず、後に住宅が密集したために細い路地が多い。消火活動に際しては被害を最小限に食い止めるために大変苦慮しているという。また住宅が増える中、消火栓や防火水槽の点検も狭い路地で行うため、防災訓練などで自治会や住民との交流を深め、地域住民の理解を得たいとも話す。
過去の大きな消火活動として、昭和55年8月に武蔵野線の西浦和・北朝霞間の高架下「古タイヤ火災」がある。これは野積みにされた約40万本の古タイヤが43時間以上にわたって炎上し続け、当時の旧浦和市の各分団が結集し放水を続けた。記憶に残る火災であったと中村清 前分団長は話す。街を守るという消防団員たちの情熱と消防団活動の歴史の一幕を感じた。谷田分団は、旧浦和市当時から第1、第2と担当エリア別に分かれていた。さいたま市が政令指定都市となって、谷田第1分団は緑区、谷田第2分団は南区とブロック別に区分けされたという歴史もある。以前は放水訓練も見沼用水を利用して行っていたが、農業用水ということで活用しにくくなり、芝川での訓練に移行している。
平成16年12月に起きた「ドン・キホーテ浦和花月店火災(さいたま市緑区中尾)」でも谷田第1分団は活動した。「放火」により店舗が全焼し、3人のアルバイト店員が亡くなるという痛ましい事件で、店舗における避難経路や防火体制の不備を正すというきっかけをつくり、大きく社会に問題を投げかけた火災であった。現在、「ドン・キホーテ浦和原山店」駐車場入り口には遺族の意思で慰霊碑が建てられている。
今年度の住宅防火モデル地区である緑区大在家自治会の防災訓練が7月21日に行われた。「自治会では定期的に防災訓練をしている。しかしいざとなるとあせったり、慌ててしまうかもしれない。そんな時にも、顔見知りの地元消防団の存在は心強い」と自治会役員は語る。谷田第1分団としても消火訓練や防災訓練といった地元自治会の防災訓練に支援活動として参加しており、地域消防団としての役割は大きい。
現在、谷田第1分団の分団員は17名の男性で構成されており、日中勤めに出ているサラリーマンの団員が3分の1だという。団員の若返りと増員には頭を悩ませており、新たな力、新規団員を求めている。
大きな災害が通り過ぎると、時間と共に防災意識は薄れていってしまうかもしれない。けれども、そこで暮らし、そこで仕事をする自分たちの地域は協力しあって自分たちで守っていかねばならない。結束と情熱、伝統ある地元の消防団で地域を支える「力持ち」になってみてはどうだろうか。
さいたま市消防団に関するお問い合わせ:
さいたま市消防局/総務部/消防総務課 消防団係
電話番号:048-833-7163 ファックス:048-833-7641
☆さいたま市の「縁の下の力持ち」
消防団part1―仲町分団 http://www.qualitysaitama.com/?p=29390
消防団part2―西浦和分団 http://www.qualitysaitama.com/?p=30734
(多田 清成)
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