文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
遠距離恋愛ならぬ、遠距離友情の友に、2年ぶりに会う事が出来た。
まるで恋人にでも会うかの様に、前々日あたりからソワソワし、
当日はいつもより化粧時間が長かった。
元気で変わらない自分を見せたかったし、
元気で変わらない彼女を見たかった。
少々、緊張しながら待ち合わせ場所に向かう。
会ってすぐ、彼女の変わらぬ笑顔にほっとし、
2年の歳月は、どこかに吹っ飛んでしまった。
話せば話す程、なんら変りない彼女に、どんどん安心していく自分がいた。
離れ離れになる時、私は、辛さから逃げ、見送りをしなかった。
そんな私の弱さも、彼女はお見通しだった。
彼女もまた旅立ちの時間を教えてくれなかった。
悲しみに打ちひしがれる姿を見せたくない・・・
そんな彼女の強さを、私もお見通しだった。
あんなに仲が良かったのに・・・
見送りをしない事が、他の人には、冷たく映ったようだが、
私達には、ピッタリの方法だったと、今でも思っている。
2年の歳月を埋めるおしゃべりは、少しくらい言葉が足りなくても、
誤差なく伝わり、なんとも心地良かった。
そして、変わっていないのではなく、お互い似た経験から
同じような成長をしていることが解り、さらに嬉しくなった。
何十年も熟成させたワインの様な仲は、そう簡単には作れない。
この先も、大事に友情を熟成させたい。
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