文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
富士登山に引き続き、またもや、マイナスイオンより、高さを選んでしまった。
高ければ高いほど、酸素が薄いことを忘れていたのである。
目指すは、標高3026m、乗鞍岳剣ヶ峰。
乗鞍岳は、23の峰からなり、その最高峰がこの剣ヶ峰だ。
登山スタートは、標高2702mの畳平。
その畳平までは、楽ちんの路線バス。
渋滞解消と自然保護の観点から、日本一の高度を走るスカイラインは、一般車両の走行ができない。
そのためスカイライン手前の無料駐車場からバスの送迎がある。勿論、有料だ。
この日は、ドピーク!朝7時のバスを狙い、1時間前から列をつくる。
7時の時点で、バス8台のおでましだ。
スカイラインの艶やかな紅葉を賞美しながら、1時間ほどで到着。
目指す山、剣ヶ峰を確認。尖った山なのですぐに確認ができた。
んっ・・しかし・・あれは・・?まさしく雪ではないか・・・。(汗)
眺めている分には、そのうっすらと白い雪化粧に感動を覚えるが、これからあそこに登るのだ。不安が立ち込める。
畳平のお知らせ看板によると、今日が初冠雪。当たってしまった!!
「とりあえず、登って、危なければ引き返そう!」と気持ちを切りかえる。
なんていったって今回は、富士山のように『登頂目的』ではない。
あくまでも『嘯風弄月』。大自然が織りなす美しき風景を堪能することが目的だ。
そして、その想いに応えてくれたかのように、スバルラインを彩る艶やかな光景が眼下にひろがっていた。
平坦な登山道を30分くらい行くと、「肩の小屋」に到着。
ここで、水分をとり、トイレ休憩。
ここから山頂への稜線は、中級者コースともいえる、岩が出た砂礫道の登山道だ。コースとしては、面白い。
しかし、酸素が薄くなる。面白いと先を急いでは、高山病になりかねない。
慎重に・・慎重に足を運ぶ。
登山道は、道幅が狭く、本日の大混雑で上り下り共に列をなす。
途中、広い斜面で少し休憩。雄大なるその風景に、思わず息をのむ。
大自然が奏でる秋と冬とのコントラスト。
紅葉と雪が重なることは、約20年ぶりだとパトロールの方から聞いた。
そんな絶景を後にして、雪の道にさしかかる。
アイスバーンではないので行けそうだ。恐る恐る、ゆっくりと力強く雪を踏みつける。
幸いなことに、長い道のりではなかったので何とか乗り切った。
雪はないが、急で危険な岩場を超えて、休憩地点から1時間、山頂の標高3026mの雲上の地に到着。
晴れていれば、北アルプス、木曾御嶽山、その他中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、白山などの大パノラマが一望できる。
しかも超混雑。ゆったりと腰を下ろし、喜びに浸る気分ではない。
写真をとる列に並び、カメラに記録を残し、下山。
おっと、富士山で果たせなかった夢を果たすことを忘れていた!
ま、ここでいい。山頂からちょっと下った平坦な地で足をとめ、その雄大な景観にご挨拶。「やっほう~!」と2回繰り返す。
勿論、多くの登山者がまわりにはいる。
1人のおじさんが笑いながら「こんにちは」と言ってくれた。いまどき珍しいひとだ、というのが本音だろう。
自然は自然体だ。(な~んて)
顔もすっぴんに近い。きれいに化粧をし、おしゃれをしている山ガールとは、ほど遠い。
自然の美しさがあれば、それでいいのだ。自然と親しみ、自然と戯れる。
その解放感が、下界での私のモチベーションとなる。
下山は疲れることなく、足も気分も弾んだ。
帰りは、中央道で2件の事故。予定以上の時間がかかり、距離の遠さをあらためて痛感。
しかし、脳裏に焼き付く乗鞍岳は、わたしのイチオシの景勝地だ。
そしてまた、この地の夏を感じに、訪れたいものである。
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