トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 短編童話「夜空のお姫様」 作・雪んこ
文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
あるとき星たちが言いました。
「お月さま、そのお姿はとても美しいです」と。
月は答えました。
「今はわたしの本来の姿ではないの、本当のわたしはもっと美しいのよ」
そう答えた三日月に星たちは言いました。
「わたしたちはあなたの満ち足りているときも知っています。確かにそのときの
あなたは美しいと主張している。でもわたしたちはどんなお姿でもあなたに魅
了されています。わたしたちは数多の星たちでしかありませんが、あなたはこ
の夜空に光るたったひとつのお姫様です。あなたが想う以上にその輝きは美
しくわたしたちの憧れです」
その日からの夜空のお姫様は、欠けていようが満ちていようが、夜空にオンリーワンの光を放って
星たちはおろか、人々をも魅了しました。
仲秋の月、初冬の月、上弦の月、十三夜・・・夜空に浮かぶその月は、どんな時も長い間、人々の心に響いていることでしょう。
どんな状況下においてもすべてのひとが輝けると夜空のお姫様は教えてくれています。
さあ、夜空を見上げてごらんなさい♪
終わり。
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