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文芸広場
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春に誘われ久方振りの温泉旅行へ。
目指すは修善寺温泉。
修善寺温泉は伊豆半島でもっとも歴史ある温泉で、夏目漱石や芥川龍之介などの多くの文豪たちが愛した温泉であることでも有名だ。
今回修善寺を選んだ理由は、文豪たちの愛した温泉地への文学旅行と語りたいところであるが、ちょっと違う。
ならば河津桜に誘われて、とロマンチックにいきたいが、こりゃまた理由にあらず。
理由はただ一つ。「宿」だ。
まるで「3・11」を連想させるような名前の旅館である。
「絆」というその温泉旅館は「3・11」の起こる1年くらい前にオープンしているので「3・11」とは無関係であることだけは事実だ。
それもそのはず、その「絆」とは、飼い主とペットとの「絆」なのだ。
正直、名前な好ましくないが、まぁいい。ここの売りの料理を堪能すること、そして部屋でリードなしで犬たちとくつろげること。勿論、ロビーや廊下はリードつきなら一緒に歩くことができる。そう、犬と一緒に楽しむ宿である。
週末の混雑のせいもあり4時間以上かけて目的地の「絆」へ到着。
然しながら、車中から満開の河津桜を拝むことができ、ちょっと得した気分。
そんな私達を若い仲居さんが笑顔で迎えてくれる。
旅館に足を踏み入れると、どこをみても若い爽やかな笑顔だ。
後で聞いた話だが仲居さんの平均年齢が22歳というから驚きだ。仲居さんだけでなく番頭さんも若い。若いだけではなく仲居さんと番頭さんの殆どが動物の有識者だというではないか。
この日は全部屋17部屋が満員御礼。19匹のワンコのお泊りだ。(そのうちの2匹はうちのワンコ)
部屋で抹茶を飲みながら和菓子を食す。
ワンコ達へのプレゼントも仲居さんからいただく。あけてみると、おもちゃやお菓子、水までも至れり尽くせり。ワンコ達も大喜び。まるで小さい子供のように大興奮。
ラウンジでは無料でコーヒがいただけるというのでワンコ達を連れていざラウンジへ。
すでに宿泊客のワンコと飼い主が一組。お互い気になりながら視線を交わしている。
(これは人間様ではなく犬たちのことである)
その視線がエスカレートしてか、相手ワンコがソワソワしだした。
「こちらは二匹だ。怖くはない。来るなら来い!」と我が家のワンコたち。
恐る恐る飼い主に連れられたワンコが近寄ってくる。オスだ。さすがオス!我が家のオス金太郎に見向きもせず、我が家のメス小豆に何度も近より臭いをかぐ。
「しつこいわ」小豆が逃げる。
「なんだ、どうした?」と金太郎。
「何笑ってるの!みんな、私は嫌なのよ」
小豆が嫌がるのをよそにオスワンコが追いかける。
そんな光景を楽しむ飼い主たちはお互いのワンコの自己紹介をしながら会話が弾む。
やがて夕食時間。こちらの料理長も30代後半というからまたまた驚きだ。
繊細かつ色彩豊かな美味なる懐石料理を堪能。
その料理長。書道5段という腕前をいかしメニューも自筆で書く。
ひとつひとつの心配りが実に嬉しい。
そろそろ温泉に入ろう。脱衣所で二匹のワンコと遭遇。
「こんにちは」と挨拶。
またまた温泉につかりながら飼い主同士ワンコ話に花を咲かせる。
料理と宿の心遣いに感動し3度目の訪問だとか・・・。どうやらここはリピーターが多いようだ。
ラウンジでもそうだが、何しろワンコ話がとまらない。
通常、宿泊客同士が会話するなんて滅多にありゃしない。
ワンコがいるだけで会話が弾むから不思議だ。
そしてワンコ同士のふれあいもある。
もしかして・・・ここは犬と飼い主の絆だけではなさそうだ。
ワンコとワンコ、人と人の「絆」の場所であるともいえる、憩の場所なのかもしれない。
まさにワンダフル!ワンダーランドだ!
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