文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
君との出会いは突然だった
それは淡雪のふる寒々とした春の日
積もるはずのない淡雪が僕の心の深い闇をあっという間の銀世界にしてしまった
まるで雪の魔法にかかったかのように、君によって変わっていった僕を覚えている
「君は雪女なの?」と僕が冗談めかしに言うと
「私は雪でなく桜よ、だから美人薄明なの」と笑っていたね
その言葉通り君は春にしか会えない桜のように僕から離れていった
僕と君との遠距離恋愛の幕開けだった
君は電話越しにいつも言っていたね
「どんなに離れていても同じ月をみられるのよ だから寂しくなんてないわ」
僕は月を眺めながら、孤独な淋しさといつも闘っていたよ
仲秋の月、上弦の月、十六夜の月たくさんの月を拝んだね
そして君は僕との再会を拒み続けた
時に僕は、君への憤怒に似た感情が体中を征服した
僕は何とも知れぬ大きな苦しみの底に突き落とされた
そして同時に、君が僕から去った理由を知ることになった
最近想うんだ
君との出会いは、美しい自然を顧みない僕への神からの試練ではなかったのかって・・・
おかげで今でも僕は月を見ているよ
どこかで君が見ていることを信じて
僕の遠距離恋愛はしばらく続きそうだ
美しくもはかない桜を愛してしまったその日から・・・
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