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文芸広場
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先日一つの詩を書き上げた。
書き上げたというほどのことでもないが、今回の詩は少し今までと違うものだ。
今までは自分の想ったままを綴ったものだが、今回の「雪月花」はまったくのフィクション、作り上げた散文詩である。
その散文詩を書き終えた日。知人へプレゼントする写真が封筒に入らず、何かないかなと部屋を物色中のことだ。
どこかにしまいこんで忘れ去っていた20年前の原稿を発見。
それはドラマ大好き女がシナリオライターを夢みていたときのつたない原稿だ。
言いようのない懐かしさが込み上げると同時に、何故だか偶然ではない何かを感じずにはいられなかった。
その原稿には若き日の私がいた。
幼い頃から紙を見つけてはドラマを作り書きなぐっていた私。
夢はドラマを書く「シナリオライター」。
夢を現実のものにしようと、一歩踏み出したときの自分だった。
その後、出産を機にドラマを書くことをリタイア。夢は夢で終わった。
そしておよそ1年前。ドラマではないが、処女作の詩「夢風船」で18年ぶりにペンをにぎり、自己の心情をあらわにした。
それから1年以上が過ぎ、ふと自分を見つめる。
「何かもっと違うものを描けないか・・」
そう気付いた時、フィクションである「雪月花」が誕生。
「雪月花」の誕生と同時に、私が手にした昔の原稿は、神様からの私への贈り物だったのでは、と今になって想う。
「あなたの夢は夢で終わってない。違う形でドラマを書いて皆に披露できるのだから」
そう神の言葉が言っているかのように私には聴こえた・・・。
『子供の頃 青く澄んだ空には大きな風船が飛んでいた
それは気球のような大きな大きな風船
いつしかあの風船をつかみたい そう願い 何年もの間 眺めていた
・・・ (省略)
あれから何年たったのだろうか
気づくと日々の忙しさで空をみることがなくなった
もう一度空をみよう 風船を探してみよう そう願った時
風船は小さくかたちを変え 重みを増して 私の前に現れた
手が届きそうで 届かない・・・
・・・(省略)
雑踏のざわめきを聴きながら ふと我に返った
これでは何も変わらない
自分でつかもう 一歩踏み出そう
そうして手にいれた時 私は夢をつかみとる』 (詩・夢風船から抜粋)
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