文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
例年より早い梅雨明けとともに、一気に猛暑がやってきた。
外出すると、日差しがジリジリと照りつけ、知らず知らずのうちに日陰をさがしてしまう。
少しでも涼しい場所と風を求めて。
幼い頃、母の持っている扇子から匂ういい香りと、開くときの何とも言えない感触を今でもよく憶えている。
勝手に持ち出して怒られたりしたのは、大人しか持てないものだと子供ながらに認識していたからだ。
頭の片隅に眠っている微かな亡き母の記憶。
私もあの時の母の年齢に近づいてきたのだとふと気が付く。
甦る記憶のなかで、少しでも母に近づきたくて今年は洒落た扇子を購入した。
そして、父にはいつまでも粋でいて欲しい思いを込めて、名入れの扇子を送った。
父がうれしそうに扇子で仰ぐ姿が何ともうれしく感じた。
街を歩いていても、男女年齢を問わず、素敵な扇子を使う人を目で追ってしまう自分がいる。
デパートには、色とりどりに扇子が並び、思わず手に取りたくなる。
値段も3千円から2万円位と幅が広い。
生活必需品でないだけに、毎年新しい物購入しようかと思うが、まだ使えると躊躇していた。
今年は早々と購入した扇子を片手に、まだまだ続く夏を心地良く、大人っぽく、そして、ワンランク上の女性を目指して、背伸びするのではなく、それに似合う自分になるための努力しよう。
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