トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 川越夏祭り 百万灯の楽しみ方浅間潤子
文芸広場
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先週末27日28日、川越夏祭り百万灯が行われた。
ゲリラ豪雨との戦いで、両日ともに夕刻からクライマックスを迎える「まつり」は大変であった。
この「百万灯」は本川越から蔵造りのまちなみまでの道が「提灯」で彩られる。
昼間では「良さ」が楽しめない。
「提灯」に「灯」がはいってこそのお祭り。
当日は交通規制もあって、秋の川越まつりに匹敵するほどの人出だ。
しかし、このおまつりには違った楽しみ方があることを来年のためにしるしたい。
毎年準備のために提灯が飾られたあとの「蔵造りのまちなみ」。
夏至もすぎて、日の入りが日々早まる宵。
電線のない空と、年間を通して美しい夜を演出する灯りのなかに提灯のあかりの見事なコラボレーションだ。なんとも風情だ。
今年は運よく、お祭り前日に友人たちと川越 山屋へいくことができた。
集合は6時半。まだ薄暮。提灯のよさはない。
山屋のお座敷で丁寧に磨かれた大きな窓から見える庭園に暮れゆく一日を感じる。友人が「この静寂がたまらないね」と一言。
そう、無駄な音が一切ない。これも貴重だ。手の込んだお料理と復刻された川越の地酒「鏡山」の冷酒で今日ここに集えることに感謝しながら、話に花が咲く。
山屋女将に見送られタクシーへ。路地から通りにでて、みんなで息をのむ。
人通りの絶えた蔵造りのまちなみに提灯の灯り。幻想的だ。怪人二十面相がでてきても、金田一耕介が走り回っても、バットマンが登場してもおかしくない。そして、美しい。
ぜひ、当日の楽しみもあるが、祭り直前、百万灯で彩られたまちなみでの川越の味を愉しむこともすすめたい。夕立の心配もない。
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