トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 見えない郵便ポスト作・大畑ヨシオ
文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
見えるものと
見えない物では
見えないものの方が多いのです
日々交差点で通り過ぎる人の群れと
もう一度逢いたい人達
ある国の言葉が分かると
それまでの騒音が言葉になります
何処の国にも
悪い人がいると思いますが
こんにちは といえば
こんにちは と答えます
聞き耳頭巾をつけると
チチチとだけ聞こえていた
小鳥の声が お早よう と
人間に呼びかけています
聞こえる声より
聞こえない声のほうが多いのです
今も地球のどこかで
過ぎた昨日の世界で
誰かが泣いている
誰かが叫んでいる
満月の夜
私を呼ぶ声を聞きました
月の光に誘われて家を出ました
見えない郵便ポストが現れるのは
雪の降りしきる夜中とか
半月のかかる夜中です
そのポストは普通のポストの隣に
緑色に光っていました
切手は貼らなくてもいいのです
お返事はいつか分かりませんが
その手紙は明日の世界にも
過ぎた世界にでも届きます
お返事が届くのは
手紙を書いた事など忘れた頃です
お返事は
風の囁き
郵便箱の中に舞い込んだ木の葉
夢の中でたわわに実る赤い木の実です
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