我が母は昔から習い事が好きだ。

よく言えば向上心がある。

私の知る限りでも着付けから始まり、生け花、ダンス、ギター、ウクレレ、琴、詩吟、カラオケ等幅が広い。

しかし、母が習い事をする度にうちの中にものが増え、その結果、母の部屋はあっという間に狭くなる。ギター、オルガン、琴、ウクレレ、よくもまあ集めたものだと感心してしまう。そしていつの間にかそのもの達は「楽器」から「置物」へと変化をとげる。本人には自覚症状はないが、熱しやすく冷めやすい性格なのだろう。

昨年は変わったところでカンツォーネ。気が付くと先生が怖いという理由で半年くらいでやめていた。

現在はというと社交ダンス、さらにドイツ語と落ち着いているようだ。

なぜ今ドイツ語かという疑問を何か月前に投げかけた。

母は「友人が昔ドイツ語の教授で教えてくれると言うから」と言っていたが、私はすかさず「使わないと忘れちゃうし、あまり意味ないんじゃない」と言ってしまった。

さすがに頑張っている母に失礼だったかなと思い「じゃあそのうちドイツに連れていくね」と母のやりがいになればとそんなことを言ってみたものだ。

つい先日母に会った時、興味本位で尋ねてみた。「まだドイツ語は続いているの？」。

母は元気よく「やってるわよ！７年後のオリンピックの時に通訳として活躍するんだから」。

新たなるやりがいと目標ができたようだ（笑）。