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私の学生時代の友人の中に不思議ちゃんがいる。
不思議ちゃんというと愛らしく微笑ましい。
そう、学生時代の彼女は不思議な存在のおっとりした癒し系と言われていた。
それが世間で言われる中年という歳にもなるとそうはいかないものだ。
不思議ちゃんという愛くるしいネーミングから「変わった人」へと移行してしまう。エスカレートすると「変人」になる。
なぜなら若い時であれば笑って許されることが、ある程度の年を超えると社会的責任やらがつきまとう。そんな時にあの人は「不思議ちゃん」だからでは許されない。不思議とは、辞書でいう「普通では考えも想像もできないこと」をいうのでだから。「あの人は変わっている」と言われるのがオチである。世間とはそんなものだ。
さらにおっとりしていた彼女が「ルーズ」に変わる。
これは根本的に彼女の性格が変わったわけではない。先述したように責任が課せられることでこのように変換される。
癒し系も同じ。微笑んでいただけの癒し系が今では優柔不断という行為に映ることもある。歳を重ねるというのもまた複雑だ。
私はつい先日の友人たちとの集まりの時、毎度遅れる彼女に尋ねてみた。
「大丈夫、会社で迷惑かけてない?」。これは親しいからこそ聞ける言葉である。他の友人たちも同じように口を揃える。
「なんか・・かけているような・・かけてないような・・」。相変わらず歯切れの悪い訳のわからぬ返答だった。
そんな彼女だから、私達の集まりでは毎回彼女の話題で持ちきりである。彼女が不在でもそれは同じこと。決して悪口ではない。彼女の言動すべてが笑いの対象なのだ。やはり彼女はいくつになっても私達仲間の中では「不思議ちゃん」なのだ。
まっ、私は友人なので、飲み会のドタキャンや遅刻で迷惑を被るくらいのことしかないので「不思議ちゃん」と笑って言えるのだろう。
しかし、会社での彼女のルーズさや不思議な行動を聞くとそう笑ってはいられず、彼女の仕事仲間の苦労が目に浮かぶ。
いや、まて、「古き良き」という言葉がある。現代社会にあまり存在することのない不思議さを大和撫子という言葉に置きかえ、魅力的な人だと思う男性がいるかもしれない。そう、もしかしたら私や友人の心配をよそに会社での彼女は「縁の下の力持ち」「なくてはならない存在」なのかもしれない。何しろ人の評価は千差万別なのであるから救われる。
そんなことを考えていると彼女からのメールだ。またまた首を傾げたくなる内容だが、まっこれからも長い付き合いになりそうなので気楽にいこうではないか。トホホ・・・(汗)。
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