文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
昭和13年に47歳の若さで亡くなった歌人岡本かの子。
天才岡本太郎画伯の母上でもある。
「年々わが悲しみは深くしていよよ華やぐ命なりけり」
かの子の有名な歌である。
悲しみを知ることによって、命の輝きを知るとか、思いやることができると解釈されてもいる。
「いよいよ華やぐ」という言葉に私はトキメキをずっと感じていた。
いつもそうしていたいという気持ちがあった。
その想いが一層強くなったのが、平成25年11月26日。場所は東京宝塚劇場。
劇場のエントランスから続く、赤いじゅうたんの階段。座席につづくその階段でいよいよ華やぐ。
今日の公演は「GONE WITH THE WIND」邦題「風と共に去りぬ」。
10代の時に夢中になったあの小説。読む人誰もがヒロイン・スカーレットオハラに自分を投影してしまうミラクル小説。
小説を読んで、映画を見て、あらすじは頭にしっかりはいっている。
そして、宝塚の歌、踊りとともに、夢の世界に。
舞台はフィナーレ。ラインダンスから、宝塚の代名詞の大階段から続々と出演者が登場すると、ファンと心は一つになる。
作家林真理子さんが、「宝塚見ると、女子力あがるのよね」とよくエッセイに持ち出すが、まさにその通り。
娘役のかわいらしさ、男装の麗人の足さばき。うっとりしつつ「いよいよ華やぐ」のだ。
会場内も、お手本にしたい正統派お洒落な人がいっぱい。着物をまとって、颯爽と歩く夫人も。
いくつになっても、「美を追求する気持ち」「いよいよ華やぐ気持ち」こそ人生の醍醐味。
宝塚に出会えたこともきっかけに、充実した日々を送りたいと思うのは自然だ。皇居のお堀と色づいたイチョウの木を見ながら、宝塚ウオークをしながら友人と二人歩き「いよいよ華やぐ」初冬の宵であった。
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