トップページ ≫ 文芸広場 ≫ 短編童話「驕った金魚」 作・雪んこ
文芸広場
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金魚はその美しい衣ゆえに金魚鉢という小さな器で輝いていました。
ある時、金魚はその美しさの驕りからか、「私が輝けるのはもっと大きなところよ」と金魚鉢から出て行きました。
金魚が訪れたところは大きな川でした。
泳いだこともないその水の中で金魚は自分の衣が汚れていくのを感じました。
そう、そこはただ大きなだけの汚い川だったのです。
「だったらもっときれいなところに行かなきゃ」。
金魚が求めた場所は青い海でした。
その海の大きさに圧倒されながらも金魚は「こここそが私が求めていた場所よ」と泳ぎ始めました。
大きく広い海には今までにみたことのない美しい魚たちが優雅に泳いでいました。その魚たちを横目に「私の衣よりも美しい、私の輝ける場所はここでない、早く元の場所に帰らなくては」。
そうと思ったとき、大きなさめが口を開きやってきました。
美しき金魚は自分を輝かせてくれていた場所に二度と戻ることができませんでした。
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