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文芸広場
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江戸の夜は暗かった
行灯の明るさは1Wにも及ばず
贅沢品の百目蝋燭にして(今日価額4、000円相当)
豆電球程度であった
遊郭はそれを数本灯していたという
みな影絵の世界であった
光の届かない部屋の隅の暗がりには
物の怪がうずくまっていた
少女を売り買いする
女衒がいた
娘を売るのは過酷な税のため
病人の薬代のためであった
しかしそれを酒代にしてしまう親もいた
ゴザ一枚をもって身体を売る女を
夜鷹といった
生き倒れや夜鷹は
投げ込み寺に葬られた
いつの世にもあこぎなものがいた
いつの世にも優しい者達がいた
雪の中の寒椿のような
悲しい物語があった
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