文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
浦和区内某所に住み始めてそろそろ1年。通行量が多い幹線道路の裏手ながら、静かな住宅街にあるアパートは、なかなか住み心地はよい。しかし、1つだけ大きな悩みがあるのだ。引っ越してきて1か月経った位だろうか。天井に虫らしき物体がへばりついており、目を凝らしてよく見てみると、これまで遭遇したことがない姿の虫が複数いるではないか!蠅と蛾を合体させたような虫で、それほど大きくない。動きを暫く観察したら、天井や壁にへばりついていることが多く、でも、飛ぶと結構すばしっこく、寝ている顔の回りを飛び回り、鼻の孔や口の中まで入ってきて安眠を妨害する。アヒンサー(不殺生)を標榜する私だが、「安眠を妨げるとはとんでもないヤツ」と、蠅や蚊用の殺虫剤を吹き付けてみたが、ほとんど効果なし。その後いろいろな殺虫剤を試しても効果はほとんどなかったのだ。
「何なのこの虫は!」
この日からこの謎の虫との格闘が始まったのである。
この謎の虫はチョウバエと言い、害はないが、かなり不快な虫なのである。
殺虫剤が効かないから手で始末するしかなく、飛んでいたら両手で「バシッ」、天井や壁にへばりついていたら手のひらで「バシッ」、これを繰り返すしかなかった。外から侵入しているのではないかと、防虫剤を窓や玄関前に吊るしてみたが、翌日には再び天井や壁にへばりついていたので、外からの侵入ではないようだ。じゃあ何処から侵入してくるのかと観察していたら、排水口というのが分かった。中小のドラッグストアではぜんぜん見かけなかった「チョウバエ・コナーズ」という、チョウバエ専用の防虫殺虫剤も大型ホームセンターで手に入れた。直接吹き付けても効果があり、出没しそうな場所に散布しても効果はある。しかし、散布しても翌日には、また壁や天井に張り付くチョウバエの姿が見えるのだ。その後ネットで調べると、熱湯を流し込むと効果があると書いてあり、さっそく実行。発生ゼロではないが、かなり抑えることはできたのだ。できれば“ちいさきものたち”の命は守り、無駄な殺生は避けなければいけないのだが、私の目の前にもし現れてしまったら、「チョウバエ・コナーズ」をお見舞いするしかないのだ。ただし、窓際にチョウバエが現れた場合に限り、外に逃がしてあげている。無駄な殺生を避ける、というよりも、始末するのが面倒なだけで、外へ出て行ってくれたら、こちらで手を下す必要はないので、大助かりなのだ。でも、チョウバエはなかなか外の生活にはなじまないようで、網戸にへばりつき、出て行こうとしないのだ。とほほ…
(地響 五郎)
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR