文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
生き物は自分が自分であることに疑いを持たない
恵まれた母と子は
何故自分が母であるのか
子もまた母の腕の中で何故か嬉しい
今ここに何故二人がいるのか
理由は分からなくともいいのです
出逢ったものが今共にあるだけでいいのです
生き物が自分を不審に思うのは
群れから離れて一人になった時です
不幸が振り向いて自分を呼んだ時です
ある日巣を壊された鳩が二、三日電線に止まっていた
私には鳩の慟哭が聞こえた
遊びの輪に加わらずしょんぼりしている子がいる
何か母にも言えない悩みがあるのだ
功成り名を成し額に飾られた者全て幸せではない
額の中でベートーヴェンは一年中深刻な顔をしている
キリストは十字架に架けられたまま項を垂れている
今も共に苦しんでいるのだ
桜の季節が去り庭の木陰にひっそりと
ナルコユリが咲いていた
弱毒性のホウチャクソウかもしれないという
どちらでもいい
今年もまたここで貴方に逢えた
山上村人
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