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新着記事
- 同級会哀感(2016年12月26日)
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小学校を卒業して、62年経った。10年に一度、5年に一度、4年に一度と私達は同級会をやってきた。騒ぎ、喜び、酒を酌み交わしてきたが、5年前頃からは、ちがってきた。 病気のこと。健康のこと。介護のこと。そして死。同級生のうち10人が鬼籍に入っていた。懐かしさより、なぐさめ合いにかなりの時間が流れた。 韓国から日本人に帰化した、杉山(仮名)はドン底の貧乏生活…
- 4回目の成人式を迎えた加瀬先生(2016年12月15日)
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加瀬英明先生が80歳の誕生日を迎えた。傘寿だ。先生はあいさつの中で「私は4回目の成人式を迎えることになった」と得意のジョークで会場を湧かせた。外交評論家としての加瀬先生は世界的にも名の通った有名人だ。日本を誰よりも愛している。愛国の心ほとばしる士だ。 英語は外国人よりも得意だ。だからこそブリタニカ初代編集長になった。いわゆる保守の論客で福田、中曽根内閣の特…
- 訣別の街~人生は愛と友情と裏切り(2016年11月21日)
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ある寿司屋の女将が、亭主から別れ話を持ちかけられ、大粒の涙を恥しげもなく、私に訴えた。「私くらいあのひとを愛してきた女はいない!男って信じられない!私は完全に裏切られた」と。そして二人は二か月後に別れた。亭主は美貌の若い女将を迎えた。 私は複雑だった。人と人との信頼、恋、愛、友情は人間の永遠のテーマだ。太宰治は「大人とは裏切られた青年の姿だ」と書いた。…
- あの日のダンディとこの日のダンディ(2016年11月02日)
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久しぶりにダンディを見た。元ふじみ野市議会議長福村さんの叙勲のパーティは、私の少年時代を快くくすぐった。福村さんは20代の若き日に、旧豊岡町の技術職として水道事業に心血を注いだ。一方で、野球の名手だった。もともと豊岡町は豊岡物産という有名な会社もあって、野球でも全国にその名をとどろかしていた。豊岡町役場もその刺激を受けて、埼玉県でも屈指のチームとして君臨して…
- 「男」花板(2016年10月07日)
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友人に花板がいた。学業もトップクラスだった。ある有名大学の受験に失敗した。彼は潔かった。大学進学を即あきらめた。「俺、板前になる!」友人の私はびっくりしたが、彼に「男」を感じた瞬間だった。「料理人になるなら絶対、一流になれよ。日本一の板前になって、その料理を食わしてくれよ」彼は「おお!」と言ってふる里をあとにした。日本では超一流のホテルに修行に入った。数年、…
- そばやの男と女(2016年09月12日)
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どうも最初から印象はよくなかった。暗い。眼つきが白眼がちで落ち着きがない。ようするに、狡猾そのものの顔なのだ。 そばのメニューを見ていた。「私はこの鴨汁そば」 2,100円と書いてあった。男の顔も急に暗くなった。 錆びたような正方形の小さなサイフには、どうみても10,000円以上は入っていないようだった。 「俺はたぬきにする。君はきつねでどう?」シャ…
- 全てに時がある(2016年09月09日)
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聖書の知識はまったくといってないが、全てに時があるというのは旧約聖書からきていると知った。 時は薬なのだ。やがて時が癒してくれるのが人生だ。焦ると薬が効かなくなる。丁度の時を待つのだ。まあタイミングといってもいい。ちと軽くはなるが。タイミングを逸した愛の言葉はお笑いもんだ。逆は凄い。相手の心に電波が走っていくのだ。 馬鹿な人は、男も女もうかばれない。…
- 松山善三さんと飯能市と…(2016年09月05日)
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松山善三さんが91歳の生涯を閉じた。映画監督、脚本家として名声をとどろかした「名もなく貧しく美しく」は、人間いかに生きるかの指針にもなった。多くの共感を得た。 松山さんは社会派と呼んでふさわしい脚本家でもあった。「人間の証明」はその証明にもなった。 数々の名作品を残したと同時に、これまた名女優高峰秀子との結婚は社会から称えられた。2人はおしどり夫婦として…
- 霞川無情(2016年08月25日)
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台風が荒れ狂った。ゲリラ豪雨が各所で暴れた。外に出られず、私はテレビに釘づけになっていた。画面に増水し氾濫した霞川が表われ、その画像はかなりの時間を費やしながら我々にある種の恐怖感を与え続けた。小さな川である。一級河川とは名ばかりだと、昔から流域の人達は言っていた。私は少年期を霞川と共に過ごした。小魚がたくさんいた。アヒルが退屈そうに昼寝をしていた。霞川は全…
- 沈黙のグッバイとダンディズム(2016年07月28日)
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「別れる時は何も言わないほうがいい。何億年も前の沈黙の海へ静かにころげおちていくように別れていったほうがいい。あなたと別れた時もそうだった。ただ百舌だけが鋭角的に鳴きさけんでいたっけ。そして僕自身の中に長年はりつき、ひそんでいた何かにせめて、じっとグッバイとつぶやけばそれでいい。一つの終章はそんな形がいいのだ。 僕の中にかさぶたのようにはりついていた偽善の…
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