トップページ ≫ コラム ≫ 埼玉の余話 ≫ 埼玉の余話 2012.3.23
コラム …埼玉の余話
春の選抜高校野球。初日にして圧巻があった。石巻工業の主将、阿部翔太君の宣誓だ。
「人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくて辛い。しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じます!感動、勇気、笑顔を全国に届けよう!」
かって、こんな見事な宣誓を聞いた記憶はない。ここには、人生の哲学が、ずっしりとある。そして、おきた不幸から立ちあがっていかねばならない人間の不屈の魂が北向きの鬼瓦のように凛凛として在る。まさに生きるとは、不屈の魂を秘めながら、感動、勇気、笑顔を貫き通すことだ。笑顔は悟りだ。キャプテン翔太君は、自らこの宣誓文を練り上げたという。体調を崩し、下痢や嘔吐に苦しみながらも、決してめげず、一言も間違わず、堂々と言いきった。おそらく全国の人々が、かたずをのんで、この少年の勇姿に見入ったことだろう。観客席は涙の雨がふりそそいだようだった。石巻工業は惜しくも一回戦で散った。しかし、この9人の少年達の英姿に拍手はなりやまなかった。夏、必ず彼等は勇気と感動をもって、100万ドルの笑顔でこの甲子園にやってくるだろう。震災地東北の希望のシンボルとして。
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