トップページ ≫ コラム ≫ 埼玉の余話 ≫ 埼玉の余話2012.8.23
コラム …埼玉の余話
「近いうちに」とドジョウがドングリに言ったそうだ。ドングリはドジョウが好きだからどうしても信じてしまう。しかし、ドジョウの方が2枚も3枚もしたたかさにおいて上だ。何しろ、都合が悪いとすぐにもぐってしまうのだから。お池にはまったドングリはもうどうすることもできないから大変だ。9月の総裁選とやらでもドングリがドングリでいられるかどうかもあやしいし、ドングリは池の中であがくばかりだ。「近いうちに俺は死ぬぞ」と、ある老人が言った。遺産欲しさに近親者は知悪をしぼって、醜い争いをしはじめた。「近いうち」だから大変だ。しかしいつまでたってもこの老人は死ぬこともなく生き続けた。そのうち近親者の方がまいってきた。老人は10数年生き長らえた。「近いうちになんてふざけやがって!」と近親者達は嘆きながら息絶えた。「近いうちには嘘でも何でもいいんだ」と元総理の森さんとかいう人が言った。「政治家の約束なんてそんなもんだよ」。この元総理は近いうちに引退するそうだが分かりっこない。「近いうちに」北朝鮮と仲良くして、韓国と対決すればおもしろいぞと思っている人が結構いるらしい。でもそれも「近いうちに」という枕詞がついてのことだ。「近いうちに」。こんな言葉は無きに等しいのだ。死も不意にやってくる。近いうちではない。生も刹那の中にあって、近い、遠いはありえない。人生は遠いも近いもないことだけは事実だ。
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