トップページ ≫ コラム ≫ 男の珈琲タイム ≫ 荒城の月と元政治家
コラム …男の珈琲タイム
私と多少なりとも親交があった政治家が居を退ちのいた。政治家といっても議員という肩書が有ったからあえて政治家と書いたまでだ。と東北出身の彼は東北人独特の人間味があった。
しかし何処かに東北の寂しい空のようなものが、いつも身体や言葉使いから消えなかった。人を信じやすかったが誰とも長くは交友が続かなかった。田舎出の学技秀才だった彼はいつも腹の底では人を小馬鹿にしていた。官僚出身だったからなおさらだ。 社会性に乏しく俺が俺がの我で生きて何回も選挙をすべった。私の記憶では確か3回しか当選しなかったかもしれない。しかし赤絨毯の感触が忘れられず、最後の衆議院選挙に挑戦したが敗れた。生業を持たぬ悲しさで、途端に惨めになった。家主も冷たくなった。居を明け渡した彼に支援の手は伸びなかった。
どうしているのか。彼の現役だった頃の事務所も空っぽになった。冬空と東北の鉛色の空が重なって私自身も寂しい心になった。昔の光今いずこ『荒城の月』の一節を思い浮かべては栄枯盛衰をつくづくと思っている。
(鹿島 修太)
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