コラム …男の珈琲タイム
私の50年来の知己の裏山には、柚がたわわになっている。みな無農薬で大ぶり。
人様に差し上げると決まって喜ばれる。風呂にも安心して入れられる。風邪もひきにくい。ジャムもこれまた美味。その他いろいろな調理の方法が有って喜ばれるのだろう。
その50年来の知己は、かつての名映画監督松山善三、高峰秀子夫妻とも親交があって、何十年も柚を通しての交際だった。御二人はこの柚を心から貴重品として扱ってくれて、私の知己の自慢の種にもなっている。
ある茶房の店主はこの柚を焼酎のお湯割りにして飲むと最高だと言って愛用している。
あるうどん屋の店主は「この柚は無農薬なんですよ。」と客に勧めると、酒まで一本余計に飲んでくれると、大喜びだ。
たかが柚、されど柚で、心温まる話しが鈴生りになって飛び交って、何だか暖かい冬の日が続いている。
(鹿島 修太)
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