コラム …埼玉の余話
・清水さいたま市長の市政報告がパーティー形式で行われた。ホテルの会場はあふれて立錐の余地も無い。勢いというものは恐ろしいものだ。我も我もと会場に押し寄せてくる。だが、出席者の半数以上は昨年の選挙では相川さんや中森さん、その他をやったような人達にみえた。特に何らかの肩書きのついた人達はみんなそうだ。こういう時、本当に清水氏を応援した人達は控えめにしているものだ。厚顔で他者を応援した者に限って大きな顔と大きな態度をとるものだ。
・ある新人ホヤホヤ国会議員もまた、例外ではない。反清水を打ち出し、堂々と清水批判をしていたのに、この日ばかりはすっかり親清水さんだ。そして、清水市長、市長と握手を求める姿は、人間のいやらしさを丸出しにして醜かった。政治というもののもつ非人間性をいやというほどみせつけられるのが、この種のパーティーだ。
・こういうパーティーでの見ものは、料理の奪い合いだ。ある中年の女性は桶ごと寿司を奪ってきて自分の手腕?を誇っていた。可愛いというか貧しいというか。これも人間の持つ性を露骨に見せ付けられて何とも言えない気持ちになった。
・気になったことは、清水市長のスタッフといわれる人達の過剰なほどのガードぶりだ。今まで中央政界のどんな大物パーティーにも見られなかった光景だ。清水市長の名刺までスタッフ達が渡している姿は、せっかくの清水市長の良さを消してしまうではないか。勢いは凄いエネルギーだが、勢いはまた必ず消えていく。それが人の世の常だ。だからこそ中心になる支援者はきつく心しなければならないと思う。
・人は高い山を登っている時には、周囲の同じような高峰しか見えないものだ。大事なことは下だ。風上よりも風下、頭上より足元だ。特に権力にあるものは注意を要する。“もとの身の毛虫忘るな今もなおアゲハとなりて空を舞うとも”念仏のように唱えて実践すれすれば、権力も又多くの人に光を与える力となることだけは間違いあるまい。
・出席した上田知事は独り輝いていた。誰にもにこやかに平身低頭の姿を見る人は観ていて、“たいした知事だ。ああいう人は本物だ”という声が、いまだに頭から離れない。辛酸をなめつくして、トップに立ったひとゆえの魅力なのだろうか。風下の厳しさを知り尽くしてきた人は、他の安っぽい政治家とは全く違った光彩を放っていた。昨日成ったばかりのホヤホヤ政治家たちはしっかりと身に着けるべきだが、ほとんどの人は無理だろう。権力の毒に身の半分はおかされているのだから。
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