コラム …埼玉の余話
・酒場は男の学校である。――何十年か前に本で覚えた。酒場という言葉は死語に近いかもしれないが、飲み屋でも、居酒屋でも、寿司屋でもいい、バーもそうだ。そこでのマスターや親方の言葉が心につきささって、ついには栄養にまでなってしまうことが多々あるものだ。客との会話も教訓に満ちていることもある。さいたま市に古い寿司屋さんがあって、そのカウンターはほとんど常連。しかも、経営者が多いのが特徴だ。その経営者の一人、Yさんがゆっくりとした口調で話していた。“スポーツ産業のアシックスっていう会社は凄いよ。鬼塚社長のイズムを、昔、本人から直接聞いたことがあるが、今でも忘れられない。経営者の成功は、まず、人生の考え方×その人の能力×ヤル気、だがもっと細かく言うと、(知性+学習+指導力)×健康。特に知性というのは、人の声に耳を傾ける力、自省力。指導力というのは、常に鋭い洞察力と説得力、事業に賭ける強烈な思いということ。健康で大事なのは、脳の力を自分で察知する力。さらに企業の私物化、同族化は絶対にしてはならない。企業は公器という自覚をリーダーが持たなければ、企業はドロップするだけ。ワンマン経営で成功した例はほとんどない。――聞いていて身体がほてってきた。政治家も、経営者もこの精神だったらなと快くなった。帰り際にY氏は”あとは勇気と温かい心だよ!“酒場は男の学校だ。
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