トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 彩の国映画甲子園、グランプリ決まる
教育クリエイター 秋田洋和論集
県内ゆかりの映像クリエイターの発掘や映像による地域の魅力再発見を目的として、埼玉県とNPO法人サイタマ映画ネットワークが今年度初めて開催した「彩の国映画甲子園」の本戦が、11日、SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザで行われた。予選会を勝ち抜いた10作品の上映に加え、グランプリをはじめとする各賞が発表された。
川越(8作品)、深谷(10作品)、さいたま(8作品)の各予選会に計26作品が集まり、10作品が厳選され、11日の本戦に臨んだ。まず、最短1分、最長30分の10本の作品が上映された。簡単に紹介しておこう。
彩りのおもてなしANGYOショートストーリー 川口商工会議所
地元川口市内の小中校生が制作した4本のショートストーリーによるオムニバス作品。笑い、歴史、そして感動と、純粋に楽しめる内容に仕上がっていた。
ソケリスト、アオキ裕キ 松浦真実
ダンスをライフワークとするアオキ氏が、路上生活者や路上生活経験者とともに踊りによる肉体表現を追求する姿をドキュメンタリーした23分の作品。
地域を繋ぐもの 庄司知志
地元産の大豆を用いる豆腐製造会社の取り組みを中心に大豆づくり農家の姿などを描いたドキュメンタリー。
チェアスキーヤー鈴木猛史君パラリンピックへの挑戦 郷貴博
少年時代に事故のため両足を失った大学生の鈴木君がチェアスキーに生きがいを見出し、パラリンピックに挑戦していく姿を描いたドキュメンタリー。
深谷へGo。 山内守
群馬富岡の中学生たちが、夏休みのある日、深谷までサイクリングする様子を描いたドラマ。下手ながらも何とも魅力的な作品に仕上がった。
マナーモード 田中美咲 他2名
1分という短い時間の中に、さまざまなマナーのシチュエイションを凝縮。不思議な余韻を醸し出すことに成功した。
向い風 松本拓也
父が昔使ったギターを見つけ軽音楽部に入部した高校生が途中で挫折しそうになりながらも父の「後悔するな」という言葉を糧にチャレンジする姿を描いた映画。
make a green 成田香緒里 他2名
黄色い絵の具で太陽、青い絵の具で水を描き、そのミックスで緑の植物が誕生する様子を表現した1分の作品。
毛呂の流鏑馬 住田勝
毛呂山町・出雲伊波比神社に伝わる神事・流鏑馬の様子を淡々と描いた14分のドキュメンタリー作品。
門職人 石井啓真
2日間の高校学園祭を彩る「門」づくりに夏休みの全てをかけて打ち込む川越高校生有志の姿を描いたドキュメンタリー。9分の中に「門職人」たちの情熱や悲哀が描き込まれたハイクオリティな逸品。
これらの作品を監督したのは、住田さん(「毛呂の流鏑馬」)以外は全員が20代以下で、10代が中心ということで、文字通り「甲子園」にふさわしい若手クリエイーター競演の場となった。
上映に続いて各賞発表・表彰式が行われた。受賞者・受賞作品は以下の通り。
グランプリ 「門職人」石井啓真
埼玉映画ネットワーク賞 「ソケリスト、アオキ裕キ」松浦真実
SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ賞 「向い風」松本拓也
深谷シネマ賞 「地域を繋ぐもの」庄司知志
川越スカラ座賞 「make a green」成田香緒里 他2名
入選 「彩りのおもてなしANGYOショートストーリー」川口商工会議所
「チェアスキーヤー鈴木猛史君パラリンピックへの挑戦」郷貴博
「深谷へGo。」山内守
「マナーモード」田中美咲 他2名
「毛呂の流鏑馬」住田勝
最後に審査委員長を務めた映画監督の大林宣彦氏から、10作品それぞれについての詳細にして丁寧な講評が発表された。大林監督は「10本の作品のNO.1とかNO.2といった順番を付けることはできない。それぞれの作品が素晴らしく、オンリーワンだった」と評し、グランプリを獲得した「門職人」については「しっかりとした技術力を基盤にバランスが良かった。門をつくる“職人”たちとのクールな距離感が、かえって見る人の心の中に感動を与える結果となっている」と語った。
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