トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 「大学進学率」の変遷から「大卒の肩書の価値」を再考する(1)①「大学進学率」の変遷 ~女子学生の大学進学率の急増~
教育クリエイター 秋田洋和論集
皆様は,現在の高校生のうち何割が大学へ進学しているかご存知ですか?この割合のことを「大学進学率」と呼びます。一般には「4年制大学+短期大学」への進学率のことを指し,この数値は2006年(平成18年)から50%を超えてきました。そして2009年(平成21年)には,とうとう「4年制大学」への進学率が50%を超える時代に突入しているのです。高校進学率が98%に達する「ほぼ高校全入時代」ですから,簡単に言えばお子様が通う小学校で,クラスの半数が4年制大学へ進むことになります。そして,埼玉の中学3年生のほとんどが受験する「北辰テスト」を例にとって考えると,偏差値50の生徒までが,理論上では4年制大学に通えることを意味しているのです。
では,大学進学率の推移をご覧ください。
大学進学率(学校基本調査より)
|
4年制大学への進学率 (過年度高卒者含む) |
短大を含む大学進学率 (過年度高卒者含む) |
||||
|
合計 |
男 |
女 |
合計 |
男 |
女 |
1965年(昭和40年) |
12.8% |
20.7% |
4.6% |
17.0% |
22.4% |
11.3% |
1975年(昭和50年) |
27.2 |
41.0 |
12.7 |
38.4 |
43.6 |
32.9 |
1985年(昭和60年) |
26.5 |
38.6 |
13.7 |
37.6 |
40.6 |
34.5 |
1995年(平成7年) |
32.1 |
40.7 |
22.9 |
45.2 |
42.9 |
47.6 |
2000年(平成12年) |
39.7 |
47.5 |
31.5 |
49.1 |
49.4 |
48.7 |
2005年(平成17年) |
44.2 |
51.3 |
36.8 |
51.5 |
53.1 |
49.8 |
2009年(平成21年) |
50.2 |
55.9 |
44.2 |
56.2 |
57.2 |
55.3 |
これを見ておわかりの通り,近年の大学進学率の上昇には「女子学生の4年制大学進学志向」の高まりが大きく影響しています。ちなみに私が見聞する限りにおいて,「女子の方が優秀だ」とおっしゃる先生が多いことは先にお伝えしておくことにします。
女子学生の場合,かつては短期大学への進学率の方が高く推移してきました。例えば1985年には4年制大学進学率13.7%に対して短期大学進学率は20.8%だったのです。これが初めて逆転したのは1996年(平成8年)のことですから,それほど昔の話ではありません。それが今年(2009年)には,4年制大学進学率44.2%に対して短期大学進学率は11.1%と,女子学生の短期大学離れが加速度的に進んでいることが見て取れます。なお,女子学生の4年制大学進学率が初めて20%を超えたのは1994年(平成6年),初めて30%を超えたのは2000年(平成12年),初めて40%を超えたのは2007年(平成19年)と,本当にここ数年の話しであることを頭に入れておいてください。
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