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教育クリエイター 秋田洋和論集
●「中学校の受け入れ体制」は充分なのか? ~調査結果から~
学習内容の増加や復活,教科書のページ増など,今回の改訂は「脱ゆとり」を色濃く反映しており,現場の先生方の準備や対応も大変だと思われます。ここでは,2011年6月に実施された調査結果(ベネッセ教育研究開発センター「中学校の学習指導に関する実態調査報告書2011」)をもとに,「中学校の受け入れ体制」として興味深い内容を紹介していきます。
☆学校の取り組みとして力を入れていること
指導要領の改訂を見越して増加傾向にあった学校の取り組みには,「夏休み中の授業や補習」「放課後の補習授業」「長期休業期間の短縮」「土曜日の授業と補習」といった,指導時間の確保に関する項目が上位を占めました。特に「土曜日の授業や補習」については,国立の実施率が0.0%,公立が9.0%であるのに対して私立では87.3%に達しており(2011年現在),最もわかりやすい「公立と私立の差」となっていました。
それを裏付ける資料として,年間授業時数の違いを紹介します。2011年までの標準授業時数(1年間)は980時間,今年からの標準授業時数は1015時間となっていますが,昨年の段階で新課程対応(1015時間)の授業を行っている学校が平均では24%程度ありました。特に私立に限ると,1015時間どころかさらに100時間上積みした1121時間以上を確保していた学校が半数を超えていたのです。
年間授業時間数(2011年調べ)
|
全体 |
国立 |
公立 |
私立 |
||||
980時間以下 |
1年 |
56.1% |
1年 |
21.7% |
1年 |
63.4% |
1年 |
4.2% |
2年 |
56.3% |
2年 |
21.7% |
2年 |
63.5% |
2年 |
4.2% |
|
3年 |
57.4% |
3年 |
26.1% |
3年 |
64.8% |
3年 |
4.2% |
|
981~1015時間 |
1年 |
26.0% |
1年 |
60.9% |
1年 |
26.0% |
1年 |
23.2% |
2年 |
25.9% |
2年 |
65.2% |
2年 |
25.8% |
2年 |
23.2% |
|
3年 |
27.4% |
3年 |
69.6% |
3年 |
27.6% |
3年 |
22.9% |
|
1015時間 以上 |
1年 |
14.7% |
1年 |
17.4% |
1年 |
8.5% |
1年 |
61.1% |
2年 |
14.6% |
2年 |
13.0% |
2年 |
8.5% |
2年 |
60.8% |
|
3年 |
11.6% |
3年 |
4.3% |
3年 |
5.3% |
3年 |
59.9% |
無答・不明は除く
昨年までは,公立中と私立中では最大で年間200時間程度の差がついていたことがおわかりいただけると思います。公立中の授業時間数増加に伴い公立と私立の差が縮むように思われがちですが,学習内容の増加分と授業時間数の増加分が必ずしも比例しているわけではないので,移行後数年の間は先生・生徒がどちらもとまどう場面が予想されます。
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