トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学生の保護者は必見!中学校の教育課程はこのように変わる(4)
教育クリエイター 秋田洋和論集
☆学習内容の増加への対応
新しい指導要領において最も負担増となるのが理科です。どの程度の負担増になるか再度まとめておくと,
3年間の標準授業時間数:290時間→385時間(33%増加)
教科書の平均ページ数:571ページ→826ページ(45%増加)
となります。この状況に対して,理科教員の皆さんはどのように考えているのでしょうか。
学習内容の増加への対応予定:理科(複数回答)
今のままで対応できる |
51.5% |
全体的に授業の速度を速める |
34.5% |
教科書の内容のうち,ポイントを絞って教える |
27.5% |
宿題などを増やす |
11.4% |
家庭学習(宿題を除く)指導を強化する |
11.0% |
「今のままで対応できる」と答えた先生の割合が,私には「高い」と見えますが皆さんはいかがでしょうか。今回増加する学習内容は,かつての学習指導要領で取り扱われていたものが復活するケースが多いため,ベテランの先生方と若手の間でも不安の度合いが異なるのかもしれません。しかしながら,これまでの「ゆとりカリキュラム」においても私が見る限り「理科嫌い」がそれほど減少したとは思えないため,先生方がよほど授業に工夫をこらさないと,新課程において「理科を苦手とする生徒」が大幅に増加すると私は予想します。今回の改訂を楽観視しすぎかな,という印象を持ちます。
現実には授業時間の増加に対して教科書のページ増の割合のほうが高いため,「昨年までと同じ対応」でスタートした先生の授業が,途中から「授業が速くなりポイントだけを説明される」「演習は家庭学習で」と方向性が変わる可能性も,保護者としては考えておかなければなりません。改訂初年度は混乱が起こって当たり前であり,その結果最も負担を強いられるのは生徒自身なのです。
この傾向は理科に限ったことではなく,数学や英語においても同じですから,「生徒に課せられる一日あたりの学習量」はこれまでとは比較にならないほど多くなり,公立中学校が「勉強させます」というスタンスに完全に変化したことがおわかりいただけたと思います。
これからの中学生は(もちろん保護者も),こうした変化を理解したうえで勉強・部活・遊びに時間を振り分けることを意識しなければなりません。日常が忙しくなるとどうしても視野が狭くなり,その日のことをこなすのに精一杯となりがちですが,どんなに疲れていても必ず決まった量(時間ではない)の勉強を続ける姿勢,つまり「学習習慣の確立」が強く求められる時代になったことを理解しておいてください。
中学校の学習指導に関する実態調査報告書2011
ベネッセ教育研究開発センター
http://benesse.jp/berd/center/open/report/gakusyuu_jittai/2011/index.html
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