トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第一章 「品格のある子ども」ってどんな子?(3)
教育クリエイター 秋田洋和論集
なぜ子どもに「品格」が求められるのか
~「ばれなければよい」社会でよいのか~
このように、わずか15歳で大人の文化の中に放り込まれることには大きなリスクがともないます。しかし「昔はよかった、昔に戻せ」という懐古主義が通用しないことも、みなさんご承知のことだと思います。
ということは、私たちの仕事は子どもたちに対して、15歳の段階で大人扱いに耐えられるように育てていくことだと考えます。
そして最も大切なことは、
・真実を見抜く目
・自分自身で考え判断できる頭脳
をキチンと養うことです。これができていないまま大人の文化だけを享受した場合、どのようなデメリットを被
ひとつの事件を紹介しながら、深く考えてみることにしましょう。それは、北海道苫小牧市の食品加工製造卸会社が、社長の指示により会社ぐるみで食肉偽装を続け、不正が問われた事件(2007年)です。
「ばれなければ何をやってもよい」と考えがちな現代の大人社会を悪い意味で象徴する事件となりました。この事件の場合、企業のトップにモラルも理念もなく、食を預かる人間としての責務まで忘れているわけです。
こうしたモラルハザードは、残念ながら私たちの周囲でも数多く見受けられることでしょう。本当は便利さ、利益を享受しようとすればするほど、意識を高めなければならないことであるにもかかわらずです。
企業・自治体の不正行為はどうでしょうか。飲酒運転はどうでしょうか。世代は違えど、ばれなければよいという考え方が普通になっている節さえあります。
そんな大人社会・大人の文化の中に、これから子どもたちは放り出されます。その波は、私たちの「大人デビュー」の頃より高く激しくなっています。私たちの時代より経験を踏ませずして、強い自制心を持たせずして、いい加減に放り出したとしたら、その結果は目に見えているでしょう。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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