トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第一章 「品格のある子ども」ってどんな子?(6)
教育クリエイター 秋田洋和論集
自分で判断して自己管理できる子どもにする
~自分で考えさせ最善の選択をさせる~
あえて一般論で答えるとすれば、いわゆる難関校の場合、進学校・附属校問わず「自学自習できる」ことが当然の条件とされます。簡単に言えば「自己管理ができる」ということが当然のように要求されます。
「最近ちょっと遊びすぎたからそろそろ勉強しなくちゃ」と言われなくても修正できること、この能力を持っていれば「自由と放任」を履き違えることはないだろうというのが学校の考え方なのでしょう。
事実、いわゆる人気校の多くが校風に自由を謳っていますが、その裏には、
・学生としての責任を自覚できる
・そのためには自己管理が要求されている
ことは言うまでもありません。
その裏返しとして、最近伸びていると言われる学校の多くが管理を謳い、「塾・予備校なんて必要ありません、すべてこの学校で完結します」とか「風紀の乱れは勉強に差し障ります。男女交際はもちろん禁止です」なんて形で、生徒たちをコントロールしようとする傾向があります。
大学合格実績をとにかく出さなければならない、というしばりの中で「勉強以外のことに興味を持つことはまかりならん」といった感覚なのです。
もちろんどんな学校でも、ゆるやかな管理はあって当然だと思いますが、
・どんな局面においても自分で考える
・最善の選択をする
という経験は、大人になるために絶対に必要で、机上のみならず、さまざまな局面で経験する必要があります。
ですから、大学合格のためという旗印の下、その大事な選択を放棄し、他人に管理してもらおうという考えは、私には理解できません。それは、利益のためならモラルを破壊してしまう企業に重ね合わせてしまう部分があるのです。
いわゆる人気校の多くには、自己管理を受験やスポーツで経験し、成功し、実行できた生徒たちが集まってくるのです。だから、自由な校風を保つことができます。
この自己管理の経験は、実は親から一万回説教されるよりも、受験で目標に向かって全力で挑戦することを経験したほうが、スポーツと同様、あるいはそれ以上の経験を積むことができると考えています。
なぜなら、自己管理能力を高めるには、机上の勉強、あるいはグラウンドでの練習だけではなく、勉強・成績をとりまく日常生活のすべての場面場面において、どれだけ自分で判断し、考えているかを意識しなければならないのです。
私が塾講師であるという背景も重なり、勉強・受験を例に出しながら話を進めていく場面が多くなるかもしれません。しかし、勉強も受験も、ただ点数が上がればよい、とにかく合格さえすればよいという狭い視野を捨てて再度見直してみると、品格のある子どもを育てるヒントは数多くころがっているのです。
もちろん「勉強ができる子ども=品格がある子ども」なんて暴論には進めていきませんのでご安心ください。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR