トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第一章 「品格のある子ども」ってどんな子?(9)
教育クリエイター 秋田洋和論集
自分で判断して自己管理できる子どもにする
~工夫し続ける機会を奪ってはいけない~
ところが、特に教育に携わる指導者の多くは、残念ながらこの考え方を持ち合わせていないようです。彼らは子どもたちに対して、悪気なく、階段を上るように、順々にステップアップをさせようとする傾向があるようです。
これが品格ある子どもを育てるための難敵なのです。これでは常に、目標が手に届く範囲にあるため、子どもたちの工夫し考え続ける機会を奪います。必要なのは、
・最終的な到達レベル・目標を先に見せる
・その上で自分に何が足りないかを気づかせ、普段の生活にバックさせる
ことです。
高校野球で言えば、監督が自腹を切って、選手を甲子園に連れて行って試合を見せるといった話を聞きます。まさにこれなのです。受験でもスポーツでも日常生活でも、
「トップのレベル、目標とする対象のレベルを見とけ」
これでいいのです。最初は雲の上の話かもしれません。それでも目標が明確にならなければ、集中して何かに打ち込むはずがありません。
指導者は、親は、子どもが目標を決めたら、失敗やリスクを恐れずにそのレベルに挑戦させてみるべきなのです。その上で、自分に足りないことを気づかせ、補強させ、継続させる。
これが、自分で考える勉強・努力の第一歩であり、品格のある子どもに育てるために絶対必要な要素なのです。
私が笑いながら、生徒にいつも言うことです。
「『ドカベン』という野球漫画を知ってるか? 主人公の山田太郎は電車の中で、動体視力を鍛えるために通過駅の看板を読んでいたし、車内はずっとつま先立ちで体を鍛えるんだ。他の人から見ると異常かもしれないけど、これくらいは、彼の中では常識なんだな。俺だって中学生のときには、車のナンバーを見たら足し算・引き算・素因数分解は暗算でいつもやっていたよ。これは、俺の中では常識だったね」
ここで「エー」「ギャー」「信じられな~い」と声があがるのですが。
でも自分の目標に対して本当に必要だと思ったら、人に言われなくてもこれくらいやって普通。自分に「○○が足りない」とわかったところからが本当の勝負で、それを放っておいても何の解決にもならないでしょ。勉強は机の上だけでやるものじゃないし、スポーツだって練習はグラウンドだけでやるものじゃないでしょ。といった具合なのです。
スポーツをされていた方であれば、おそらくみなさん似たような経験をされていると思います。品格ある子どもはみな、これがわかっています。
そして、さまざまな誘惑に打ち勝ち、努力できる自己管理能力を持ち合わせています。世間では、自立した子どもと呼ばれるかもしれません。どうして彼らは誘惑に負けないのでしょうか。
それは、目標が明確だからなのです。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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