トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(13)
教育クリエイター 秋田洋和論集
日常生活でONとOFFを区別させる
~生活の中にメリハリをつけさせる~
塾や予備校には、自習室を設けているところが少なくありません。特に夏期講習期間中などは大賑わい。自分の授業時間以外は、朝から晩までこもっているという猛者(もさ)も見受けられます。
そんな中、毎年自習室をめぐるトラブルが発生します。実はその大半が携帯電話に関するものです。さすがに、自習室で通話をする生徒がいるという苦情は少ないのですが、一番多いのはメールをしている人がいるという苦情なのです。
大規模な予備校などであれば、授業中でもコソコソとメールを作成する子どももいるでしょう。このような生徒たちの割合は、携帯がなかった時代の大人の想像をはるかに超えると考えておいたほうがよいでしょう。
自習室での携帯操作に関して言えば、自習室のルールだから怒られたと考える生徒も少なくありません。高校生にもなれば、「誰に迷惑をかけたというんだ、関係ないだろ」とばかりに逆ギレする生徒も出てくるのではないでしょうか。
私が一番問題と感じるのは、ほとんどの生徒たちが悪気なく携帯をいじっていることであり、そもそも、どうして自習室で携帯をいじってはいけないかということを理解していない可能性があることなのです。
自習室でさえこの調子なのですから、自分の部屋で勉強しているときも携帯を机の上に置いて、常にメールのチェックをしている様子が目に浮かびます。
中学生の約半数、高校生の90%以上が携帯電話を所有している現在、日常生活で携帯に振り回されているこどもたちはかなり多いのではないかと推測します(携帯電話の使用率は小学生31%、中学生58%、高校生96%。2007年内閣府調べ。2001年の前回調査では設問の仕方は異なるが、中学生は26%、高校生は77%だった)。
このような子どもたちに共通することは、
・自分の生活の中にメリハリがない
・厳しい言い方をするとONとOFFの区別を自分自身でつけられない
のです。自習室は勉強するための場所と自覚していれば、そこが携帯操作にふさわしい場所なのかは、他人に迷惑だからという以前の段階で自分自身で気づくはずです。私はこのような子どもたちに対して、品格が備わっているとは口が裂けても言えません。
みなさんのお子様には、具体的に携帯を持つ資格として、ONとOFFの区別をしっかりつけられることを挙げてほしいと思います。そして「携帯を持ちたい」と言い出すまでに、親の側が先回りして、このONとOFFの切り替えを日常生活の中で意識させてほしいのです。
これは日常生活のあちらこちらにヒントとして隠されていますから、これから一緒に考えていきましょう。品格のある子どもの育成に大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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