トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(15)
教育クリエイター 秋田洋和論集
日常生活でONとOFFを区別させる
~朝の準備から子どもの甘えを排除する~
和歌山の県教育委員会が、2006年10月に実施した小学4年~中学3年を対象にした学力診断テストと生活実態調査の分析を発表した結果によると、学力の上位にあった小学生は睡眠時間が長い傾向にあったそうです。
睡眠時間の質問では「8時間以上」と答えた小学生の全教科の正答率が68.9%で最も高く、時間の短さと比例して正答率も低くなり、「6時間未満」は48%と最も低い正答率でした。しかし、中学生は、睡眠時間の違いによる正答率の差はなかったとしています(2007年3月1日付け AGARA紀伊民報)。
この調査結果を見るまでもなく、やはり小学生には少なくとも8時間前後の睡眠時間を確保させることが一番自然なことなのではないかと私は思います。睡眠不足は学力という視点だけでなく、体力も含めた成長全般にとって決してよい影響は及ぼさないでしょうから。
とはいえ夜は遅くまでTV、朝はギリギリまで寝ていて睡眠時間だけは帳尻合わせというのでは、まったく意味がありません。ここで親が意識しておきたいことは、就寝時間ではなく、起床時間を一定にさせることです。
夜早く寝ようが遅くまで起きていようが、とにかく朝は6時30分に起きなければならない、親を頼らず1人で起きるという最低限のルール設定に留めておくことが、子ども自身の考えさせる習慣を養う要素になります。
本当に大切なことは、子どもに責任感・自主性を持たせることですから、睡眠時間が足りないとどういうデメリットがあるのかを子ども自身に気づかせる必要があります。
休日前夜など、ついつい夜更かししてしまった日でも、翌日の起床時間をダラダラ遅くさせないこと。このときだけは、親が無理やり起こしてでも起床時間を一定にさせ、遅くまで起きていたら翌日に響くことを教えることも大切です。親も一緒になってダラダラ寝ているようでは困りますが。
朝の行動にも自主性を持たせたいところです。着替えや持ち物の準備は前日のうちに済ませておいて、朝は点検だけ。親は頭ごなしに「夜のうちに準備しなさい!」とは言わず、我慢しながら、なぜ朝の土壇場で準備することがマイナスになるのかを冷静に伝える努力をしましょう。これが大人扱いの第一歩です。
大切なことは、こうした準備・点検も子ども自身の手でやらせることです。「もう甘やかさないよ」というメッセージを、こうした日常生活の中でしっかり発信していくことを心がけてください。
だからといって、本当に100%子ども任せにしていては、親として無責任と紙一重です。ランドセルの中身が気になるのであれば、子どもが寝ているときにコッソリ確認しておきましょう。足りないものがあれば、朝知らないふりをしながら「○○は持ったかしら?」と声をかけるくらいの演技力が必要です。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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