トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(19)
教育クリエイター 秋田洋和論集
コミュニケーション力と判断力を養う
~行為の無茶さではなく判断の甘さを叱る~
いじめやケンカについても、ただ「いけません」と話すだけでは不十分でしょう。どうしていじめが起きるのかを一緒に考えてみる必要があります。多くの場合、最初のきっかけは、○○ちゃんがルールを守らないといった類のことだとおもいます。これをきっかけにして、
・ルールを守ることの重要性
・ルールを守らないことで生じる可能性のあるリスク
についてしっかり伝えておかねばなりません。
子どもが危険な目にあったときには、子ども自身に危機感がなかったとしても、悪ふざけの延長であったとしても、
・本気で心配する
・本気で叱ってみせる
ことが、たとえ演出であっても必要です。親の真剣な様子を見てはじめて、子どもは事の重大さを把握する場合が多くあります。この積み重ねを経て、ようやく危険回避能力は育っていくものです。
子ども同士で出かけて、好奇心からついつい無茶をしてケガをしたということは、誰でも経験があることでしょう。このような経験をしてはじめて気づくこともありますから、叱る内容はその行為ではなく、その判断の甘さでなければなりません。
まずこのような行為をした経緯と判断基準を聞きましょう。
「A君ができたから僕もできると思った」なんて答えが返ってきたとします。
小学校高学年にもなれば、判断の基準がA君だったことを叱るべきなのです。
運動能力が人によって異なることは、さすがにもう判断できる年齢でしょう。であれば、自分にとって大丈夫かどうかを冷静に判断することが大切であり、何も考えず、何も工夫せず、危険な冒険にチャレンジすることは「勇気とはいわない」ということをわからせる必要があるのです。
・冒険の裏に潜む危険に気がつかないのはただの鈍感な人
・必ず危険を回避するための最善の手段をいつも考えているのは勇気ある人
これが注意力・判断力であり、この能力は生きる力として、最重要項目に挙げられることは言うまでもありません。
品格のある子どもは、遊びと危険の境界線、遊びのONとOFFをしっかり理解し、無用なトラブルとは距離を置くものです。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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