トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(22)
教育クリエイター 秋田洋和論集
公の場でのマナーを身につけさせる
~責任の取り方、謝り方の見本をみせる~
みなさんも『ドラえもん』はご存知だと思います。
この漫画の中に、ドラえもんに借りた道具を調子にのって使いすぎ、トラブルに巻き込まれるのび太、のび太が使っていた道具を取り上げ、使いすぎてトラブルに巻き込まれるジャイアンとスネ夫という描写がよく出てきます。
このとき、ジャイアンとスネ夫はほぼ毎回「スネ夫のせいだ」「ジャイアンが悪いんだよ」と責任を転嫁し合います。のび太であれば、ほぼ100%「助けて、ドラえもん」と、自分でなんとかしようとはしない(できない)のです。
子どもに限らず大人でも、何かトラブルに巻き込まれたときについつい他人に責任を転嫁するような発言をしてしまいがちです。
しかし、人のせいにすることにいくらエネルギーを使っても、事態はまったく進展しません。関与している人間が多ければ多いほど、責任の所在を転嫁し合うことでますます解決から遠ざかっていくものです。
品格のある子どもであれば、少なくとも他人に責任を転嫁することは慎むべきです。何も自分ですべて責任をかぶれと言っているわけではありません。
自分に非があるのならばもちろん、自分に非がなかったとしても、だから知らんぷりではなく、自分から解決へ向けての役割を請け負うことを真っ先に考えられるようになりたいものです。
そのためには、普段の父と母のやりとりが重要になります。約束の時間に遅れそうなとき、車の中で「あなたがもっと早く起きればよかったのよ」とか「お前の化粧の時間が長かったからだろ」なんて、今さら言っても仕方がないことを言い合ってカリカリする場面が、わが家でもたまにあります。
ついついイライラして感情的になりがちですが、子どもの前では相手に対して言い返すのはやめ、「グダグダ言っても仕方がないから最善の策を考えようよ」と言ってみせることが必要だと思います。
ただし、もしも相手の言う通り自分に非があるのなら、子どもの前では先にキチンと謝らなければなりません。子どもの前で妻に(夫に)頭を下げるなんてといったつまらないプライドはまったく必要ありません。
全身からイヤイヤ言わされる雰囲気を漂わせながら謝ったところで、「それじゃあ心がこもってないでしょ」と言われたり思われたりするだけですから、これでは謝ったうちに入りません。自分が反面教師になって謝り方をわざと子どもに伝える意図があるのなら別ですが。
子どもには、謝るときの潔さを見せなければなりません。親が見本をみせられなければ、どうして子どもが他人にキチンと「ごめんなさい」を言えるようになるでしょうか。
逆に自分が謝られる場合も考えましょう。ウチの嫁の場合は、私がいくら謝っても「ダメダメ、もう一生許さない!」といつまでもプリプリしていることがあります。わが家のことはともかく、みなさんは少なくとも子どもの前でこれをやってはいけません。
相手が謝ってきたらキチンと受け入れてあげましょう。その後はいつまでもこの話題を引きずらないこと。話題を100%変えてしまうことで「もう終わったよ」としっかり伝えましょう。
相手とのギクシャクした関係を1回リセットする気持ちを忘れず、相手に明確に伝えなければなりません。これを子どもに見せることではじめて、子どもも自分がそのような場面に遭遇したときに、親と同様の振る舞いをすることができます。
謝られた後もグチグチ文句を言い続けていると、場の雰囲気は気まずいままです。これは、子どもを叱ったときも同様です。子どもが謝ってきたとき、素直に受け入れ、リセットしてあげていますか?
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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