トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(23)
教育クリエイター 秋田洋和論集
親としての覚悟を決めて子どもに接する
~親自身が生活習慣や態度を見直す~
品格のある子どもの条件をいろいろ挙げてきましたが、みなさんはどのようにお考えでしょうか。すべての要素を満たす品行方正の見本のような子どもでは、別の視点で見ると「子どもらしくない」「おもしろみに欠ける」といった指摘が出てくるのも当然です。
私も「ガチガチのまじめ君」に育てることを理想とは言っていません。ユーモアも持ち合わせてほしいし、子どもらしい冒険心も持ち合わせてほしいと思います。ただ、それと並行してユーモアのTPОも理解しておく必要性や、危険を回避する自制心も養っておくべきだと思うのです。
このような品格の要素を子どもに授けたり指摘したりしていくには、ある部分では親としての覚悟が必要です。これらの要素を伝えていくには、前述のように「いいから言う通りにしなさい」という押し付けでは意味がありません。場合によっては親自身が生活習慣や態度を見直し、自ら見本を示す必要があるのです。
この本を読んでいただいて「そうか、これからは子どもを早く寝かそう。起床時間を意識させよう」と思ったと仮定しましょう。しかし、親自身が夜型で早起きが苦手ということでは、いくら子どもに注意をしても「お母さん(お父さん)だって、朝起きられないくせに」と言い返されて終わってしまうということは容易に想像できることです。
生活習慣ということでは、最近、朝ごはんの重要性がさまざまな場面で話題にされるようになりました。文部科学省の2005年の調査結果では、小学生の15%、中学生の22%が「朝ごはんを食べないことがある」と答えているそうです。
この調査結果を調べている途中に出会った島根県益田市立吉田小学校の「吉田小だより」に、興味深い記事がありました。
記事によると、現場の先生たちには、この15%という数字はもっと多いように思えるというのです。先生たちは経験上、しっかり朝ごはんを食べてきている子どもとそうでない子どもの見分けはできます。
どんなところでわかるかというと、朝ごはんをしっかり食べていない子どもの場合は、給食を「がっつく」食べ方になるというのです。そこで、子どもに朝ごはんを食べているのかと尋ねると、多くの子は「食べている」と答えるようです。
先生がしつこく「本当に食べているの?」と聞くと、次第に子どもは黙ってしまいがちです。自分が「食べていない」と言うことは、親に迷惑がかかるかもしれないと子どもたちは考えるのではないかと、先生たちは推測しています。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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