トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(25)
教育クリエイター 秋田洋和論集
親としての覚悟を決めて子どもに接する
~友達親子ではなく「高い壁」となる~
最近増えてきているとされる「友達親子」、これも品格のある子どもを育てる際の大きな障害となります。別に「親子が仲良しであってはならん」と言うわけではありません。特に子どもが成人した後、母と娘が仲良くしている様子を見ると「元気にやってください」とむしろエールを送りたいほどです。
ここで私が問題にしたいのは、あくまで子どもが小学校高学年~中学生である親の話。親が子どもの「壁」となって、むしろ厳しく接していかなければいけない時期に、
・権威を持ち一線を画しながら接しようとしない
・自分はよき理解者であるというスタンスで友人のように接する
・子どもに迎合し、ご機嫌を伺う態度を取ってしまう
ような親のあり方を問題視しているのです。
カウンセラー的役割を自覚した上で、よき相談者として話を理解してあげることと、無条件に何でも要望を聞き入れ、結果的に散々甘やかしてワガママ放題に振舞わせることは、まったく意味合いが違います。
本当の理解者は、時には耳が痛い忠告もするものです。ところが、友達親子の関係では、親が子どもを叱責することができないのです。その多くは「そこまでやらなくても」とか「悪役になるのは大変だし」といった、親の側の怠慢が根底にあるのです。
この時期の子どもは、先生と自分、見ず知らずの他人と自分というように、さまざまな局面でいよいよ社会に出て行くにあたって、他人とどう付き合うかという社会性を勉強するべきです。繰り返しになりますが、親はたとえ悪役を演じようとも、子どもたちにとって「高い壁」でなければなりません。
塾で三者面談をしていると、一定の割合でこのような親子に出会います。
私「数学が苦手な原因を考えてみようよ。自分では何が原因だと思う?」
子ども「小6のときにわからなくなってしまって」
母「(子どもをさえぎり)だって小6のときの○○先生の授業は、『チョー意味不明だ』って言ってたもんね」
子ども「そうそう、あの頃からだよね、私が勉強しなくなったの」
母「小さい頃はきちんとできたんですよ。だからこの子は、本当はやればできる子なんです」
友達親子では、特に親の側が子どもと友達というスタンスを取りたがりますから、必ずと言っていいほど共通の敵を作ろうとします。お母さんであれば、お父さんを悪者にするかもしれません。
父・母問わず、最近では学校の先生を悪者に仕立てあげようとする傾向が強いのではないでしょうか。学校にも確かに問題点はあって、このような指摘を受けるだけの脇の甘さがあるのですが、それにしてもこの傾向が強くなっているような気がします。
品格のある子どもに育てたければ、すでに述べたように他人に責任転嫁することを避けなければなりません。
この例で言えば、母親自身が壁になって、○○先生の悪口を言う前にまず子どもの勉強に対する姿勢を点検することが必要です。もちろん父親も一緒になって役割分担してほしいところですが。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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