トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 品格ある子どもの育て方第二章 品格の「土台」を小学生のうちにどう作るか(31)
教育クリエイター 秋田洋和論集
独自に工夫させ新しい方法を試みさせる
~時間管理は親自身が自分に厳しくする~
子どもは親をマネることから始める、ということはすでにみなさんご承知のことだと思います。このマネには、意識して似せていく部分と無意識に似ていく部分があります。
目標とする存在に一歩でも近づきたくて、例えばイチローの打撃フォームをマネしてみるというのが意識するマネ。不意識のマネとは、例えば親子そっくりなしぐさとか、親子そっくりなしゃべり方といったものでしょう。
私はこれまで塾講師をしていて何百という親子を見てきました。こういった目に見えるそっくりな振る舞いではなく、ちょっと意識していないと親子自身でさえ気づかないだろうと思える振る舞いの中に、「時間・締切に対する感覚」があります。
ほとんどの塾では、定期的に保護者面談を設けていて、特に学期末には過密スケジュールの日程で面談の予定を組みます。多少話が長くなっても大丈夫なように時間の調整を行っているのですが、開始予定時刻に来てもらえないのが一番こたえるのです。
遅刻には2通りあります。ひとつは電車・バスなど交通機関が遅れたというもの。これは仕方がありません。もうひとつは単純な遅刻。家を出るのが遅れたとか、車を止めようとしたら駐車場がなくてとか。当日忘れていて完全にすっぽかされることもあります。
みなさんに知っておいてほしいことは、この手の見通しの甘さによる遅刻をしてくる親はだいたいわかる、ということです。こういった親の甘さは、ほぼ子どもの甘さと連動します。
例えば、子どもが塾に行く日になかなか家を出ない場合、当然親は「そろそろ塾に行く時間でしょ」と声をかけます。このタイミングはたいていの場合、親の感覚のはずです。親自身が、私なら出かける時間なのに子どもがまだ出かけないから声をかけるのです。
つまり、親自身が時間に厳しいタイプであれば、開始時間の少し前に到着できるように声をかけるだろうし、時間にルーズなタイプであればその逆であろうということなのです。
親自身は時間にルーズなのに子どもには厳しいという親には出会ったことがありません。「友達親子」でも述べましたが、自分のルーズさを改善するより、子どもを巻き込んで肯定化するほうが楽だからです。
子どもにとって自己管理能力を養う最も手軽な手段は時間管理です。前述のように起床時間を一定にする、というのもひとつの手段ですが、遅刻をしないための時間配分も、本来であれば自分で意識できるようにならなければなりません。
ところがこればかりはマネる見本がなければきっかけがつかめないのも当然です。だからこそ親の役割が問われます。
「品格ある子どもの育て方(PHP文庫) 秋田洋和著」より
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